2020 Fiscal Year Annual Research Report
シグマトロピー転位を基盤とした窒素密集型化合物の迅速合成法の開発
Project/Area Number |
19J12788
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
奥山 優也 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | バイオマス / オーバーマン転位 / 窒素官能基 / サキシトキシン / 全合成 / 全窒素糖 / 糖 / グアニジン |
Outline of Annual Research Achievements |
ほとんどの低分子医薬品に窒素原子が含まれている事実から明らかなように、窒素官能基は生物活性の発現において重要な役割を果たしている。特に、1つの分子中に複数の窒素官能基が存在する化合物(窒素密集型化合物:例 サキシトキシン)は、強力な生物活性を示すことが知られており、化学合成による実践的供給が望まれている分子群である。しかし、一般的に窒素官能基の導入は、水酸基に比べて難しく、単独の窒素官能基の導入でも困難を伴う。複数の窒素官能基の導入が不可欠な窒素密集型化合物では、工程数の増加や急激な収率の低下は避けられない。以上を背景に、本研究では、『窒素官能基の複数同時導入法』の開発とその応用を目的とした。 窒素官能基の複数同時導入法の開発にあたり、バイオマスを出発原料としたポリオールの連続的オーバーマン転位を計画した。糖や酒石酸、リンゴ酸などのバイオマスは、安価で大量に入手可能であり、分子内に多数の水酸基を有しており、バイオマスの持つ炭素骨格やキラリティーを生成物に導入できる。また、オーバーマン転位は[3,3]-シグマトロピー転位を通して、炭素-酸素結合を炭素-窒素結合へと変換できる反応である。本年度は、この2つの特徴を組み合わせた『窒素官能基の複数同時導入法』を用いて、β-サキシトキシノール、dc-β-サキシトキシノール、新規サキシトキシン誘導体であるiso-dc-β-サキシトキシノールの網羅的合成を達成した。また、同様の方法論により、糖の水酸基がすべて窒素で置換された全窒素糖の世界初の合成に成功した。さらに、得られた全窒素糖を基盤とした誘導体合成および機能評価を達成した。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Seven-Step Synthesis of All-nitrogenated Sugar Derivatives Using Sequential Overman Rearrangements2021
Author(s)
Okuyama, Yuya; Kidena, Mayu; Kato, Erina; Kawano, Sayaka; Ishii, Koki; Maie, Kenta; Miura, Kazuki; Simizu, Siro; Sato, Takaaki; Chida, Noritaka
-
Journal Title
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 60
Pages: 5193-5198
DOI
Peer Reviewed
-
-