2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J12797
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
増田 圭吾 千葉大学, 融合理工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 光渦 / 軌道角運動量 / 特異点光学 / 光異性化反応 / アゾポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
アゾポリマーは、可視光によって光異性化反応に由来する質量移動が引き起こされ、凹凸の構造体である表面レリーフを形成する。螺旋波面を有する光渦CWレーザを用いると、強度分布と偏光のみならず、波面の情報をも反映した螺旋状のキラル表面レリーフが形成されることが明らかとなっている。超短パルスレーザは二光子吸収を誘起することができ、その空間選択性の高さから3次元的なマイクロ・ナノ加工へと応用されている。光渦超短パルスレーザを用いることで、空間選択性の高い3次元的な軌道角運動量転写が可能となり、螺旋波面(に由来する軌道角運動量)の自由度を付加した3次元高密度光記録への応用や、多光子過程における光のスピン軌道角運動量相互作用など新規非線形現象の開拓につながる。しかし、超短パルス光渦レーザによる二光子吸収過程を介したアゾポリマーのレリーフ形成の報告例はない。本研究では、近赤外の超短パルス光渦レーザを用いることで、二光子吸収の高い空間選択性を反映したキラル表面レリーフ形成に成功した。 使用したアゾポリマー薄膜(Poly-Orange-Tom-1)は、可視光領域に強い吸収を示し赤外光は吸収しない。光渦超短パルスレーザ(波長:1.03μm、パルス幅 : 8ps、 繰返し周波数 : 35MHz) を対物レンズ(NA:0.9)でアゾポリマー薄膜表面に集光し(集光したスポット系:~4μm)レリーフ形成を促した。AFM顕微鏡で観察したところ、直径は3.6μm、高さは300nmのキラル表面レリーフが確認できた。一光子過程を介したキラル表面レリーフと比較すると、レリーフ周辺の不必要なエアリーパターンが抑制され、さらには、焦点近傍の狭い領域でのみキラル表面レリーフが形成された。このことから二光子吸収を駆使することで横・縦方向において空間選択性の高いキラル表面レリーフを形成できることを明らかにした。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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