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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Toward a Policy Design with Social Interactions: Experimental and Microeconometric Analysis

Research Project

Project/Area Number 19J12948
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

嶌田 栄樹  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2019-04-25 – 2021-03-31
Keywords実証ミクロ計量分析 / フィールド実験 / ピア効果 / 金銭的インセンティブ / 社会的インセンティブ
Outline of Annual Research Achievements

【研究1:政策参加に金銭的・社会的インセンティブが与える影響を明らかにするための実証ミクロ計量分析】森林所有者の森林保全プログラムへの参加契約データと、森林の空間情報とを結合させてデータセットを構築した。このデータセットに完備情報下の相互作用離散選択モデルを応用し、金銭的インセンティブが政策参加に与える影響を分析した。その結果、経済的インセンティブは政策参加を促すものの、その効果が限定的であることが分かった。これにより、金銭の付与に依存するだけではなく、社会的インセンティブを政策に組み込む必要性が示唆された。論文は英文学術誌に投稿され、現在、改訂中である。また、森林所有者の政策参加における行動原理の理解を深めるための実証研究も行い、その成果は学会で報告され、英文学術誌に投稿中である。
【研究2:金銭的・社会的インセンティブが意思決定に与える影響を明らかにするための経済実験】昨年度に実施したプレ実験で観察された協調行動に関する意思決定を用いて、金銭的・社会的インセンティブを組み込んだ分析モデルの開発を行った。これにより、本調査となるフィールド実験の実施までに改良すべき点が明らかとなった。具体的には、被験者に行ってもらうゲームの改良、標本に偏りが生じないための調査設計が挙げられる。そのため、追加の文献サーベイ、実験協力者(愛媛県久万高原町役場)との交渉を行い、来年度に本調査を実施できるように環境整備を進めた。本年度は経済実験の理解を深めることにも集中した。特に、金銭的インセンティブや社会的インセンティブの役割を検証するための実験研究を行った。これらの研究の成果として、論文1本は和文学術誌に掲載済みで、1本は英文学術誌に投稿済みである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

【研究1】実証ミクロ計量分析は翌年度に予定しており、本年度はデータセットの構築、文献サーベイ、分析モデルの構築を予定していた。データセットの構築には、データ収集・データ入力・データの結合というステップが必要であり、完成するまでに要する時間が膨大になることが予想された。そこで特別研究員奨励費を用い、3名のリサーチ・アシスタントを雇用したところ、データセットの構築が予定していたより早く完了した。そのため、翌年度に予定していたミクロ計量分析の一部を本年度に実施することにした。
【研究2】本調査であるフィールド実験は本年度に実施する予定であったが、二つの理由から来年度に実施することとなった。一つ目は、研究1の実証ミクロ計量分析の進行を優先したためである。上述のとおり、研究1に必要なデータセットの構築が予定よりも早く完了したため、文献サーベイ・分析モデルの構築・ミクロ計量分析に集中した。二つ目の理由として、昨年度に実施したプレ実験の結果が挙げられる。プレ実験の結果より、本調査となるフィールド実験の実施までに改良すべき点が見つかった。そのため、追加の文献サーベイ、実験協力者(愛媛県久万高原町役場)との交渉が必要となった。本年度は、来年度に本調査を実施できるように、これらの作業を進めた。
以上のとおり、研究2では少し遅れがあるものの、研究1は計画以上に進展した。全体として、おおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

【研究1】これまでの研究で、金銭的・社会的インセンティブが意思決定に与える影響を個別に計測することには成功した。そこで、今後はこれらの影響を同時に分析する。両インセンティブの効果を同時に計測することで、それぞれの影響が独立、補完的、あるいは代替的なのかを明らかにする。
【研究2】被験者に行ってもらうゲームの改良と標本に偏りが生じない調査設計を完了し、フィールド実験を愛媛県久万高原町にて行う。なお、現地での実施が困難となった場合は、郵送による実験、あるいは経済実験用のプラットフォームoTreeを用いたオンラインでの実験を実施する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2019 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] University of Stavanger(ノルウェー)

    • Country Name
      NORWAY
    • Counterpart Institution
      University of Stavanger
  • [Int'l Joint Research] Nanyang Technological University(シンガポール)

    • Country Name
      SINGAPORE
    • Counterpart Institution
      Nanyang Technological University
  • [Journal Article] 農業環境政策に関する実験経済学的分析:直接支払と非貨幣型支援の比較2019

    • Author(s)
      栗山 浩一、中塚 耀介、藤野 正也、福冨 雅夫、嶌田 栄樹
    • Journal Title

      農業経済研究

      Volume: 91 Pages: 59~64

    • DOI

      https://doi.org/10.11472/nokei.91.59

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Peer Effects in Landowners’ Voluntary Participation: Evidence from a Forest Incentive Program2019

    • Author(s)
      Hideki Shimada and Yohei Mitani
    • Organizer
      WINPECセミナー
  • [Presentation] Designing a Voluntary Mechanism for Private Forest Conservation: An Empirical Test of Provision Point, Seed Money, and Social Interactions2019

    • Author(s)
      Yohei Mitani, Hideki Shimada, and Gorm Kipperberg
    • Organizer
      環境経済政策学会
  • [Remarks] ホームページ

    • URL

      https://sites.google.com/view/hideki-shimada/research?authuser=0

URL: 

Published: 2021-01-27  

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