2020 Fiscal Year Annual Research Report
試験管内転写tRNAによる蛋白質合成系を用いたtRNA修飾塩基の機能解析
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19J12955
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日比 敬太 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | tRNA / 修飾塩基 / 無細胞蛋白質合成系 |
Outline of Annual Research Achievements |
tRNAはさまざまな修飾塩基を持ち、それらの手助けを受けてその機能を効率的に果たしている。本研究では、修飾塩基を一切持たない試験管内転写tRNAによるタンパク質合成系を基に、特定のtRNAに単一の修飾塩基を導入し、その機能動態を解析することでこれまで明らかでなかった修飾の機能を明らかにすることを目指した。 本年度は、昨年度修飾導入系の確立が行えなったs2Uの導入条件検討および導入したtRNAの機能評価を行った。まず、Sulfur-relay systemを構成する5つの酵素群とIscS、MnmAの7つの酵素群からなる修飾導入系を構築した。その結果、Lys-tRNA(UUU)ではs2Uはアミノアシレーション効率に大きく影響を及ぼさないが、Glu-tRNA(UUC)ではs2Uの導入によってAcceptanceが10倍程度まで向上することを見出した。 また、詳細にデコーディング過程が解析できるペプチド合成評価系の構築を試みた。従前の系は、アミノアシル化効率の低いIle-tRNA(GAU)を大量に必要とし、Ile-tRNAが律速である定性的なものであった。そこで、ペプチド配列の検討を行い、Ileを用いず安定的にTCA沈殿によって定量できる合成系を構築した。この系では評価しないコドンに対応するtRNA必要量が従来の1/10以下で律速ではなくなり、より詳細な解析が可能であると期待された。一方で、評価したいtRNAに対応するアミノ酸種によって沈殿効率が変化してしまう課題も見出され、その検討も進めた。 一方で、2020年度上半期で終了した本研究はCoVID-19流行の影響を大きく受けた。放射線管理区域の閉鎖により第一四半期は全く実験が行えず、第二四半期に進展があったものの構築した系を用いた評価は積み残しになってしまった。今後、評価を進め、修飾塩基の機能が定量的に理解されることが期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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