2020 Fiscal Year Annual Research Report
代謝物に着目した大腸菌酸耐性の発現制御機構の解明とその感染予防法への応用
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19J13348
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神田 健 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸菌 / 酸耐性 / 食中毒 / GADシステム / インドール / Tryptophanase / RNase E / TolC |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、弱酸性条件下におけるtnaA mRNAの分解メカニズムの解明を目指し、まず補助因子の関与を検証した。tnaA mRNAと相互作用する因子としてProQ(RNAシャペロン)およびYafQ(RNA分解酵素)が報告されていたため、それらをコードする遺伝子の欠損株を構築しtnaA mRNA量を定量した。しかし、予想に反し、tnaA mRNAの分解の程度は野生株と同様であった。mRNA分解に関与する可能性のある因子としてHfq(主要RNAシャペロン)およびデグラドソーム(RNA分解複合体)が報告されているが、これら因子がtnaA mRNA分解に関与していないことはこれまでの研究で解明している。したがってこの結果は、弱酸性条件下におけるtnaA mRNAの分解が補助因子に依存しないことを強く示唆するものであった。よって、弱酸性条件下ではtnaA mRNAの二次構造が変化することでRNase Eによる切断効率が増大している可能性が考えられた。そこでこの分解にtnaA mRNAの5’-UTRが関与しているかどうか、lacZフュージョンによるレポーターアッセイを実施することで検証した。弱酸性条件下におけるlacZ mRNA量を定量したが、tnaA mRNAの減少量と比較するとその程度は極めて小さかった。したがって、tnaA mRNAの酸性条件特異的な分解は、CDSまたは3’-UTRの構造変化により引き起こされている可能性が示唆された。これについては、今後さらに検証していく必要がある。 またトランスクリプトーム解析の再解析により、酸性条件下で特定のアミノ酸代謝関連遺伝子の発現が大きく変動していることを見出した。詳細な解析から、この発現変動が新規酸耐性機構の一部であることを解明した(論文投稿予定のため詳細は公表不可)。本発見については、2021年度中の論文発表を予定している。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)