2019 Fiscal Year Annual Research Report
オストワルド熟成の解明による白色発光ペロブスカイト量子ドットの創成
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19J13375
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
梅本 和輝 山形大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | オストワルド熟成 / ペロブスカイト / 量子ドット |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザー分光等により、ペロブスカイト量子ドットのオストワルド熟成プロセスの解明、粒径制御技術への展開および白色発光の発現を目的に研究を進めている。 これまで、再沈法を用いたペロブスカイト量子ドット合成の検討により、狭半値幅(25 nm)且つ高い発光量子収率(90%)を示す、緑色発光ペロブスカイト量子ドットの合成に成功した。また、加温処理を施すことで、オストワルド熟成を促すことに成功し、シングルナノメートルオーダーでの精緻な粒径制御を達成した。同時に、その粒径を数ナノメートルまで微小化させたことによる量子サイズ効果の発現を確認し、それに伴う発光波長の段階的な制御(456 - 517 nm)を、狭半値幅発光(25 nm)を維持した状態で達成した。また、これら微小化・粒径制御したペロブスカイト量子ドットの発光挙動の解析を実施し、その結果、サイズ微小化に伴う発光寿命の短寿命化等のサイズに依存した発光特性も見出した。この様に、本研究は、オストワルド熟成プロセスを用いて、ペロブスカイト量子ドットの粒径を微小化し、量子サイズ効果の発現による青色発光ペロブスカイト量子ドットを創成した点で、特に意義深い。 更に、本研究の目的でもある白色発光ペロブスカイト量子ドットの実現に向けて、赤色発光ペロブスカイト量子ドット合成も行った。種々の合成条件の検討により、発光量子収率50%を有する赤色発光ペロブスカイト量子ドットの合成にも既に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、オストワルド熟成を用いたペロブスカイト量子ドットの粒径制御を達成し、更に、その微小化に伴う発光挙動変化を解析できた。この粒径制御技術は、様々なペロブスカイト量子ドットへの展開が期待でき、それに伴う新たな発光特性の発現も期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討により確立したオストワルド熟成を用いた粒径制御技術と併せて、ペロブスカイトのハロゲン組成や表面処理法等を複合的に検討し、白色発光ペロブスカイト量子ドットの合成を検討する。それらに伴う発光挙動の変化と機能性の検証も併せて実施する予定である。
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