2019 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨組織再生を志向し成長因子の空間運動性を最適化したインジェクタブルIPNゲル
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19J13789
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石川 昇平 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 自己組織化ペプチド / 軟骨組織再生 / 成長因子 / 空間運動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、超高齢化社会の進行に伴い急増する軟骨疾患患者への低侵襲性治療を実現すべく、効率的に関節軟骨組織を再生可能な患部注入型(インジェクタブル)ゲルの開発を行った。その材料として我々は、微細構造により細胞分化を促すRADA16の繊維網目を、天然高分子であるキトサン糖鎖(CH)を両末端スクシンイミド化ポリエチレングリコール(NHS-PEG-NHS)を用い架橋した網目(CH/PEG)を選択し、それらネットワークを構造化したゲルを作成した。このゲルは、双方のネットワークのゲル化メカニズムとゲル化速度が異なるためネットワークの形成を阻害することなく、網目独自の機能を発揮可能である。本ゲルに軟骨細胞を包埋し三次元培養を行うと、従来の臨床材料と比較し軟骨細胞の活性が大幅に増加したため、本ゲルは従来の再生医療材料に替わる足場材料となることが期待される。さらに、本ゲルに分解性を付与することも、架橋剤に対し分解性を付与することで容易に可能であり、分解に伴いゲルに包埋した軟骨細胞の機能も顕著に向上した。最後に、分解に伴いゲルに内包した成長因子の空間運動性を向上させることで、軟骨細胞との接触頻度を高めることを目論んだ。ゲルのネットワークに高い空間運動性を有する高分子架橋剤を用いて成長因子を固定すると、ゲルの分解に伴い成長因子の運動性は向上し、それに伴い軟骨細胞の機能も向上した。以上より、本戦略により開発した材料は、相乗的に細胞機能を向上可能な足場であり、効率的に軟骨を再生可能な低侵襲性治療を実現する。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(8 results)