2020 Fiscal Year Annual Research Report
動的な恒星進化計算から迫る、大質量星の超新星直前における激しい質量放出の起源
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19J14158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大内 竜馬 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 超新星爆発 / 大質量星 / 質量放出 / 元素合成 / 恒星進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度の研究においては、超新星爆発直前の大質量星の外層にエネルギー散逸が起こった場合、外層がどのように応答し、引き続いて起きる超新星爆発の光度曲線にはどのような影響があるかを調べた。令和2年度の研究においては、SN2009kfという特異な超新星が、爆発直前の外層に非常に高いエネルギー散逸があったモデルで説明されることを明らかにした。SN2009kfはIIP型超新星であるが、典型的なものに比べて光度が非常に高くまた膨張速度も早いことが知られていた。このような観測事実を説明するための仮説として、先行研究では非常に高い爆発エネルギーが想定されてきたが、今回我々が提示した仮説により、必ずしもそのような非常に高い爆発エネルギーとしないことが明らかとなった。本結果はMonthly Notices of the Royal Astronomical Societyに出版した。
令和2年度においては、上記の研究テーマに加え新しい研究テーマにも挑戦した。外層が剥げた状態で爆発した超新星は、そうでない超新星(II型超新星)よりも放出される56Niの質量が高いことが示唆されてきた。これはそもそも両者の親星構造や爆発メカニズムの違いを示唆する可能性がある一方で、観測バイアスの影響も指摘されてきた。本研究ではこのような観測バイアスの効果によって、どの程度56Ni質量の違いが説明されるかを明らかにすることを目的とした。出版論文のデータを解析し、また疑似観測を行った結果、外層が剥げた星から放出される56Ni質量には確かに観測バイアスが効いていることを示した。また本結果は疑似観測の結果とも整合的であることを明らかにした。これは観測バイアスが56Ni質量の違いを説明する有力な候補であることを示す。本結果はThe Astrophysical Journalに現在投稿中である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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