2019 Fiscal Year Annual Research Report
ルテニウム触媒による内部アルキンの炭素置換基の転位を伴う触媒的分子間反応の開発
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19J14232
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渡邉 拓真 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ビニリデン |
Outline of Annual Research Achievements |
まず採用研究題目である、ルテニウム触媒による内部アルキンの炭素置換基の転位を伴う触媒的分子間反応の開発について述べる。配位子に配向部位として窒素原子を含むことから活性を有すると想定されるルテニウム錯体を調製後、炭素置換内部アルキンであるジフェニルアセチレンと反応させることで、二置換ビニリデン錯体を得た。次に量論反応にて水和を検討した。イソプロパノールと水の混合溶媒中にて加熱撹拌後、ジフェニルメタンの生成を確認し、またカルボニル錯体を得た。その一方で目的の化合物は得られなかった。水との量論反応において望まない反応が進行したことから、本研究は停止した。しかし、末端アルキンから形成される一置換ビニリデン錯体と比較して分子間反応における反応性が非常に乏しいことが知られている二置換ビニリデン錯体と、弱い求核剤である水分子が反応することを見出した本研究結果は、内部アルキンを出発物質とする反応開発研究に大きく寄与したと考えられる。 次に、ルテニウム触媒存在下における炭素置換基の1,2-転位を伴う環化異性化反応として、1-アリールピロロクマリン誘導体の新規合成法を開発した。また本反応を鍵反応としてNingalin BおよびLamellarin Hの形式全合成を検討した。市販の原料から3ステップで3-アミノ-4-アルキニルクマリンを合成後、1-アリールピロロクマリン骨格への環化異性化は定量的に進行した。さらに1ステップで、Ningalin B ヘキサメチルエーテルへと変換することに成功した。Ningalin B ヘキサメチルエーテルは、Ningalin BおよびLamellarin Hへと変換できることが既に知られていることから、Ningalin BおよびLamellarin Hの形式全合成を完了した。本研究成果は、Org. Biomol. Chem.に論文として掲載された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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