2020 Fiscal Year Annual Research Report

屋外及びミスト噴霧環境での人体の温熱感と快適感が評価できる新環境指標の開発

Research Project

Project/Area Number	19J14577
Research Institution	The University of Tokyo
Principal Investigator	呉元錫東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
Project Period (FY)	2019-04-25 – 2021-03-31
Keywords	屋外環境 / ミスト濡れ率 / 生理反応モデル / 温熱感覚 / 快適感 / 環境指標 / ミスト噴霧
Outline of Annual Research Achievements	本研究の主たる目的は、ミストを噴霧する屋外環境での人々の温熱感覚が評価できる指標を提案した。具体的には、夏季の屋外及びミスト噴霧環境での基本環境因子と人体の皮膚温度の測定、温熱感覚の調査を行いその結果を用いて新たな環境指標を提案した。また、ミスト噴霧環境が人体に及ぼす熱的影響を明確にするため、ミストによる人体表面からの熱損失（mist wettedness）の測定機器と測定方法を開発し、その計測結果を適用する人体の生理反応予測モデルを改善した。従来の生理反応予測モデルを用いると、屋外環境では、皮膚温度の予測値と実測値の誤差が小さい傾向となった。しかし、ミスト噴霧環境では、予測が難しい結果を示した。しかし、mist wettednessを考慮した改善モデルでは、ミスト噴霧環境で下降する皮膚温度の傾向が高い精度で予測できることを明らかにした。既存の環境指標を活用して、ミスト噴霧環境での人々の温熱感覚を正しく評価することができなかった問題について、本研究から得られた結果に基づいて、ミスト噴霧環境での人々の温熱感覚が評価できる3つの環境指標を提案した。第一は、基本環境因子の測定結果を活用する方法（O-PMV）、第二は、基本環境因子とmist wettednessの測定結果を活用する方法（SET**）、第三は、基本環境因子の測定から簡単に計算する方法（mPMV）を提案した。本研究で改善した人体の生理モデルは、屋外とミスト噴霧環境での人体の皮膚温度の予測に高い予測精度を示し、これにより、ミスト噴霧環境が人体に及ぼす熱的な影響の要因を明確に理解できるようになった。加えて、人体の生理予測モデルを用いて提案した環境指標を活用してミスト噴霧の屋外環境での温熱感覚評価が可能になった。本研究で得られた結果を用いることにより、ミスト噴霧システムの冷却効果が客観的に理解及び予測できるものと期待される。
Research Progress Status	令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
Strategy for Future Research Activity	令和2年度が最終年度であるため、記入しない。