2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of Climate on Mechanisms of Soil Organic Carbon Stabilization
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19J14696
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
LYU HAN 京都大学, 地球環境学舎, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 土壌有機炭素 / 気候条件 / 土壌鉱物 / 長期培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年の研究実施には、予定とおり進んでおります。現地調査と土壌サンプリングが完了した。採集した土壌を2部分に分け、一部を冷蔵庫に保存、残りを風乾後保存した。風乾土壌を使用し、土壌pH、炭素・窒素の全量、土性、交換性カチオン、土壌荷電などを測定した。その同時に、鉱物組成と分布を測定した。タンザニアの部分では、基本的土壌性質、鉱物組成及び気候のデータを用い、土壌荷電を影響する要因を解明した。低pHで高濃度の活性AlおよびFeを含む高標高サイト(湿潤、温度低い)では、高濃度の有機物が土壌CECを拡大する。乾燥地域では、鉱物からの一定電荷と有機物からの可変電荷が、CEC全体にほぼ等しく貢献する。その成果を現在執筆中である。 東アフリカと東南アジア火山地域の炭素分布と土壌、気候要素を分析した。その結果、中性及び弱酸性土壌では、土壌中の活性AlおよびFe(ナノ結晶鉱物)が土壌炭素含有量を制御する。低温多湿の状態では、ナノ結晶鉱物の形成を促進し、熱帯火山性土壌の炭素を安定化させる。その成果を国際学会に発表した その同時、新鮮土壌サンプルを前処理し、培養の最適温度・湿度条件とサンプリング時間を見つけ、炭素プールのサイズと分解速度を計算するための長期土壌培養をした。培養前の土壌を比重分別で難分解と易分解の土壌炭素を分離し、次に、難分解顆粒を粒径による分画をした。その上、難分解の土壌炭素を加水分解し、分解しない部分を安定性高い土壌炭素として測定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、現地調査を基づき、土壌化学及び鉱物を調べ、様々な要素を考慮し、異なる炭素プールを推定するための一年間土壌培養を完成した。土壌培養による呼吸速度モデルの信頼性を上げるため、安定性低い及び高い土壌炭素量を物理と化学分画で測定した。このように土壌呼吸モデルと土壌炭素分画を合わせ、安定、半安定、及び不安定の炭素プールのサーズと回転率を特定することで、炭素プール安定性の定量的な評価及び安定化メカニズムの解明が期待できる。その同時、炭素分布と土壌、気候要素を分析し、火山灰土壌中のナノ結晶鉱物が土壌炭素を固定すること明確化できた。成果の一部は国際の学会で公表し、国際誌に投稿する論文も執筆中である。 上述するように、研究実施状況は期待通り進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.土壌分画と炭素分解モデルによる炭素安定性を解明方法の比較:培養前後の土壌を比重分別で難分解と易分解の土壌炭素を分離し、その割合は、安定性を評価する指標となる。次に、難分解顆粒を粒径及び化学安定性による分画する。土壌呼吸モデルから異なる炭素プールによる安定性の推定と土壌分画による炭素安定性の直接評価の差別を発見し、信頼性高い土壌炭素安定性評価方法を確立する。土壌炭素分画の結果による土壌呼吸モデルを改定する。(一部のパラメータを土壌炭素分画の実測値に入れ替え、モデルの信頼性を上がる) 2.安定同位体炭素による炭素安定化プロセス解析:安定同位体炭素マーキングした有機物を土壌に入れ、培養の最適温度・湿度条件で土壌培養をする。培養中の排出二酸化炭素を経時的採集、培養後の土壌を保存、それぞれの炭素量と安定同位体炭素の割合を測定する。培養後の土壌を炭素分画し、安定同位体炭素による固定した炭素量と安定性を評価する。培養と分画結果によるpriming effect 及び土壌炭素安定化プロセスを解析する。 3.土壌分画による炭素安定化のメカニズム解明:①土壌の基本的性質と鉱物組成を分析、気候データを用い、相関分析、主成分分析、パス分析と偏相関分析などで異なる炭素プールとの関連を解明し、土壌炭素安定性の制御因子を発見する。②有機炭素および無機物の結合位置を決定するため、分画された難分解顆粒をFE-SEMで走査する。③分画された顆粒に含む有機物の官能基は、FT-IRで測定する。その結果による異なる土壌炭素分画の安定性を評価し、炭素安定化のメカニズム解明。 4.論文発表:①タンザニアの部分では、基本的土壌性質、鉱物組成、有機物分部及び気候のデータを用い、土壌荷電を影響する要因を解明し、成果を現在執筆中である。②土壌炭素安定性の制御因子及び炭素安定化プロセスに関する論文をそれぞれ発表する。
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Research Products
(1 results)