2020 Fiscal Year Annual Research Report
高分子メカノケミストリーにおける単一分子鎖系/バルク材料系間の相関解明
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19J14764
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木田 淳平 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | メカノケミストリー / 高分子の力学物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
隠れ鎖を有する単結合均一開裂型のメカノフォアを用いることで、従来の方法では困難であったメカノフォア単独でのエラストマーの力学的刺激による自己高強度化を達成した。ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)ジスルフィド(BiTEMPS)骨格においてジスルフィド結合が力学的刺激により切断されることを明らかにした後、BiTEMPS骨格をメカノフォアとした隠れ鎖を有する環状メカノフォア (BCM) を新たに設計し、合成した 。BCMは結合解離エネルギーの小さいジスルフィド結合が力学的刺激により結合開裂する一方で、隠れ鎖により開裂後の運動性が制限されている。この特殊な結合開裂挙動から、架橋点にBCMを有する架橋高分子の力学物性や、開裂後の再結合挙動に特異な影響を与えることを予想した。得られたBCMを分子鎖中央に有する直鎖状高分子のすりつぶしにより、硫黄由来と考えられるESRスペクトルが得られたことから、BCMが力学的な化学結合切断反応性を有することを確かめた。BCMを架橋点に有する架橋高分子を加熱すると硫黄ラジカル由来のシグナルがESR測定にて観測された。さらに100 度における応力緩和試験を行うと、非環状のBiTEMPS架橋剤では大幅な応力緩和が見られた一方で、環状のBCM架橋では僅かな緩和が見られた。この結果から、BCMの隠れ鎖がBiTEMPS開裂後の大規模な緩和を抑制していることがわかった。最後に力学的刺激によるBCMの開環反応に基づく高強度化が可能であることをESR測定、膨潤試験、および引張試験から明らかにした
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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