2020 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科サクラ属の自家不和合性遺伝子MGSTの機能解明並びに人為制御法開発への利用
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19J14774
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 健太朗 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 自家不和合性 / バラ科サクラ属 / 花粉 / グルタチオン-S-トランスフェラーゼ / アンチセンスオリゴ / トランスクリプトーム解析 / タンパク質間相互作用解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
バラ科サクラ属にはカンカオウトウなどの果樹作物が含まれるが、多くは自家不和合性を示すために、果実生産時には他家受粉を確保するための労力がかかる。また、サクラ属の自家不和合性機構は他の種と異なるとされるが、その特異メカニズムの詳細は未解明である。これら課題に対し、本研究では近年同定されたサクラ属の自家不和合性因子であるMGSTに着目した。 サクラ属植物の自家不和合性を人為的に打破することができれば、サクラ属果樹の果実生産にかかる労力を削減することができる。また、自殖後代の作出手法が開発されれば、サクラ属の遺伝解析を効率的に遂行できるようになる。そこで第一の実験では、MGST遺伝子が変異した品種が自家和合化する点に着目し、花粉において人為的にMGSTの発現を制御することで、既存の自家不和合性品種を自家和合化することを試みた。花粉にアンチセンスオリゴ処理を行いMGSTを発現抑制し、処理後の花粉を自家受粉することで、自家不和合性品種において自殖後代の作出に成功した。本成果は、サクラ属自家不和合性品種において人為的に自殖後代を作出した点、およびアンチセンスオリゴを用いて自家不和合性植物の自殖後代を作出した点において、初めての報告である。 また、MGSTはサクラ属に特異的な因子であり、サクラ属に特異な自家不和合反応様式の成立や分子メカニズムの解明に有用である。そこで第二の実験では、MGSTの分子機能の解明を目的として、MGSTのタンパク質間相互作用の解析を行った。MGSTが特定条件下においてのみ、既知サクラ属自家不和合性因子と分子間相互作用することを示した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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