2019 Fiscal Year Annual Research Report
Revealing the promoting factor of direct interspecies electron transfer by conductive materials in anaerobic digestion
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19J14783
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
小寺 敏光 創価大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | メタン発酵 / 有機性排水処理 / 導電性担体 / 異種微生物間直接電子伝達 / 効率化 / メタン生成菌 / Geobactor |
Outline of Annual Research Achievements |
メタン発酵では、しばしば酸生成菌とメタン生成菌間での電子伝達を行うH2が蓄積することで揮発性脂肪酸の分解が停止し、プロセスが不安定化することが知られている。近年、微生物間の電子伝達を導電性の線毛や担体を介して直接行う直接電子伝達によるメタン発酵の効率化が注目されている。直接電子伝達を促すためには電子を細胞外に伝達可能なGeobactor等の酸生成菌を優占する必要がある。これまで、活性炭やバイオ炭、グラファイトなどの導電性担体をメタン発酵槽に添加することで馴養を行いプロセスの効率化が行われてきたが、担体の性状とメタン発酵との関係性は明らかでない。効率的にメタン発酵プロセスを安定化するためには、担体が直接電子伝達を促す支配因子を明らかにする必要がある。そこで本研究は、導電性担体の添加濃度、粒子径、種類がメタン生成に与える影響を明らかにすることを目的とした。 異なる担体を添加した実験1では、メタン発酵の効率化には比表面積が高く、微生物が付着しやすい多孔質を持つことが重要であると明らかとなった。活性炭の添加濃度および粒子径を変えた実験2では、槽内に添加した担体の表面積がメタン発酵の効率化において重要であることが明らかとなった。粒子径を統一した条件下で異なる担体を添加した実験3では、メタン生成速度などの向上が見られなかった。この要因として、比表面積が小さい担体であり、かつ担体の添加量が少なかったため、異種間直接電子伝達にかかわる微生物が順養されなかったと考えられた。 これらのことから、導電性担体の添加濃度の増加や粒子径の微細化により添加表面積を増加させること、また微生物が付着しやすい細孔構造を持つことが、導電性担体によるメタン発酵の効率化において重要であることが明らかとなった。今後の課題として微生物群衆構造の解明および微生物順養条件(基質の種類、基質濃度など)の検討が挙げられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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