2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on feeding area usage of dugong using underwater acoustics
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19J14891
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 広太郎 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ジュゴン / 海洋保護区 / 音響観察 / 船舶航行 / 生息地利用特性 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の調査予定地であるマレーシアにおいて、約1か月間のフィールド調査を本年度の6-7月に実施するために現地カウンターパートとの調整を進めていたが、新型コロナウイルスの影響から渡航することが不可能となった。それ以降の海外渡航の可能性も非常に低かったことから、すでに乾季・雨季とも十分なデータを取得していたタイ・タリボン島における音響観察結果に集中して博士論文を執筆することとした。 計画書に記載していたジュゴンの摂餌音に加えて鳴音と船舶音を重点的に観察することとし、摂餌場だけでなくジュゴン生息海域の大部分において現地住民とジュゴンの海域利用特性を明らかにすることを目指した。前年度に開発した対象音検出・分類手法を用いて、ジュゴンの発声行動と船舶航行を検出し、それらの観察頻度について時空間的パターンを調べた。船舶については、記録された音から船舶種の分類も行った。前年度に検討した手法に加え、船舶イベントの持続時間も特徴量として抽出し分類に利用することで、90.3%の正解率で分類を行うことができたうえ、ある地点における船舶航行時間の内訳を調べることができた。今年度新たに乾季にとられたデータに関する解析結果から、発声ジュゴンの空間分布は乾季・雨季ともにおおむね共通していること、観察された鳴音は雨季のほうが多いこと、船舶航行は乾季のほうが活発であること、などが分かった。また、5分間の時間窓における鳴音のあり/なしを音響的存在確率と定義してジュゴンの海域利用の一部を示す指標とし、統計モデルを用いて時間や環境要因との関係を調べた。その結果、同一海域内でも音響的存在確率の時間変化や関連する環境要因が観察地点間で異なっていた。以上から、保護努力分配の優先順位を検討する際には、詳細なスケールで観察を行った上で海域利用特性を議論する必要があると考えられる。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)