2020 Fiscal Year Annual Research Report
魚類腸管におけるインターロイキン17を介した抗菌分子産生機構の解明
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19J14996
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
岡村 洋 宮崎大学, 農学工学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | インターロイキン17 / メダカ / 腸管免疫 / 腸内細菌叢 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-17受容体A1 (RA1)遺伝子において、CRISPR-Cas9法を用い遺伝子改変(KO)メダカを作製した。作製した変異メダカ系統は、メダカil17ra1のエクソン1から7にかけておおよそ5.4kbの領域を欠損する系統であり、これにより推定アミノ酸レベルでは、細胞外のリガンド結合ドメインのほとんどを消失する系統である。次にRNA-seqを用いた網羅的なトランスクリプトーム解析を行い、野生型との遺伝子発現パターンを比較した。その結果、IL-17RA1-KOメダカは、腸管前半部における脂質代謝関連遺伝子群の発現が低下しており、クラスター解析の結果、特にメバロン酸代謝に関与する遺伝子群の発現が一様に低下していることが明らかとなった。さらにこの代謝関連遺伝子群の減弱に加え、il17a/f1, il17c, rorcといったIL-17経路関連遺伝子群の発現に関しても有意に減少していた。これらから、魚類IL-17経路が腸管において、免疫関連遺伝子だけでなく代謝関連遺伝子群の発現誘導に対しても関与することが示唆された。 さらに、IL-17RA1-KOメダカ腸管前半部及び後半部における16S細菌叢メタゲノム解析を行い、野生型メダカとの細菌叢の比較を行った。Uni-Frac解析の結果、IL-17RA1-KOメダカの腸管前半部では、野生型とは有意に異なる細菌叢の多様性を示した。一方腸管後半部においては、Il-17RA1-KOメダカにおいて日和見感染原因菌であるPlesiomonas shigelloidesの細菌叢組成に占める割合が有意に増加しており、この結果は、前年度実施したIL-17A/F1-KOメダカにおける腸内細菌叢解析と共通した結果である。以上から、IL-17RA1-KOにおいても野生型とは細菌叢が変化しており、il17ra1が腸内細菌叢制御において重要である可能性が示された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)