2019 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞イメージング解析によるアストロサイトの神経保護機構の解明
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19J15030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝澤 舞 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | アストロサイト / バソプレシン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
アストロサイトに発現するバソプレシン(AVP)受容体に着目し、神経損傷におけるAVP受容体の神経保護機構の分子機構の解析に取り組み、今年度は、以下の研究成果を得た。 まず、新生仔マウスからのアストロサイトの初代培養系を確立し、初代培養アストロサイトにおいて3種類のAVP受容体(V1a、V1b、V2)の発現を見出した。また、新生仔マウスからニューロンおよびアストロサイトの初代培養系も確立した。S100BおよびMAP2抗体を用いて免疫染色を行い、アストロサイトおよびニューロンが培養できていることを確認した。 次に、アストサイトおよびニューロンにおける細胞内シグナル分子(Ca2+、cGMP、cAMP、ATP)動態を観察することを試みた。そこで、ニューロン発現用プロモーター(hSyn、CaMKII)とアストロサイト発現用プロモーター(GFAP)の下流に各シグナル分子可視化センターをサブクローニングし、アデノ随伴ウイルス(AAV)にパッケージングした。次に作製したAAVをニューロンとアストロサイトの初代培養系に感染させ、蛍光顕微鏡を用いて観察を行ったところ、ニューロンおよびアストロサイトへ、各シグナル分子可視化センサーが正しく発現していることを確認した。また、神経毒性モデルとしてニューロンとアストロサイトへ塩化アンモニウムを投与し、急性アンモニア毒性試験を行った。MAP2抗体を用いた免疫染色を行ったところ、塩化アンモニウム投与濃度依存的にニューロンの脱落が観察された。今後はアストロサイトバソプレシン受容体の機能による神経毒性への影響を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究計画に沿ってマウス初代培養ニューロン-アストロサイト共培養系および、AAVを用いた生細胞イメージング技術の確立を行った。また、ニューロンとアストロサイトへ塩化アンモニウムを投与し、急性アンモニア毒性試験を行い、神経毒性への影響を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、AVP受容体ノックアウトマウスから培養したアストロサイトを用いて、アンモニアによる神経毒性下においてAVP受容体が神経保護へどのように機能するのかを検証する。具体的には、ライブセルイメージングにより細胞内シグナル分子動態の可視化を行うととともに、免疫染色による神経細胞の形態やアポトーシスの評価を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Glutamine-induced signaling pathways via amino acid receptors in enteroendocrine L cell line.2020
Author(s)
Nakamura T, Harada K, Kamiya T, Takizawa M, Kuppers J, Nakajima K, Gutschow M, Kitaguchi T, Ohta K, Kato T, Tsuboi T
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Journal Title
Journal of Molecular Endocrinology
Volume: 64
Pages: 133-143
DOI
Peer Reviewed
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