2020 Fiscal Year Annual Research Report
機能性膜タンパク質搭載細胞外ベシクルの設計とDDS応用
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19J15093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 良賀 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞外ベシクル / バキュロウイルス発現系 / 膜タンパク質 / PD-1 / リポソーム / 膜融合 / ドラッグデリバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究成果において、免疫チェックポイントタンパク質PD-1の遺伝子を組み込んだバキュロウイルスを昆虫細胞に感染させ、昆虫細胞が放出した細胞外ベシクル(EV)の物性評価および機能評価を行ってきた。2020年度は、PD-1提示EV(PD-1 EV)上のウイルス由来膜融合性タンパク質gp64の機能を利用し、PD-1 EVと人工脂質膜小胞リポソームを融合した新規ハイブリッドEVの構築と融合挙動の詳細な解析を行い、さらにハイブリッドEV内包物の細胞質内デリバリー機能を評価した。 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いたアッセイにより、gp64のpH応答的な膜融合機能を評価した。EVとFRETリポソームを酸性条件で混合すると、EV濃度依存的なFRETの解消が確認されたことから、EVとリポソームが酸性環境に応答して融合しているが分かった。イメージングフローサイトメトリーを用いて、EVとリポソームの膜融合効率を単一粒子レベルで解析したところ、膜融合が100%進行する条件を見出し、さらにEVとリポソームの混合比によりハイブリッドEVの表面組成を制御し得ることが明らかとなった。また、蛍光標識デキストランを内包したリポソームを調製し、EVと酸性条件で融合することでデキストラン内包ハイブリッドEVを作製した。これをHeLa細胞に添加し共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、ハイブリッドEVが細胞内に取り込まれた後、後期エンドソームやリソソームなどの酸性オルガネラに輸送され、さらに内包物のデキストランが細胞質へと放出された。またプロトンポンプ阻害剤でHeLa細胞を前処理すると、デキストランとオルガネラの共局在率が上昇することが確認された。つまりハイブリッドEVは、gp64を介した酸性オルガネラとの膜融合により内包物を細胞質へと送達可能なDDSキャリアとして機能することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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