2019 Fiscal Year Annual Research Report
表面担持を利用したリチウムイオン二次電池の超高速駆動化とその原理解明
Project/Area Number |
19J15182
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安原 颯 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 高速駆動化 / エピタキシャル薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
電極表面に酸化物担持を施したリチウムイオン二次電池では無処理の場合と比較して、高速充電(放電)時においても出力容量の低下を抑えられる事が知られている。しかしながら、現状ではその特性向上原理は解明されていない。そこで申請者は、これまでの研究から得た知見を元に、担持物-正極活物質-電解液の三相界面に電界集中が生じてリチウムイオンの界面移動が促進されているのではないかという予想を立て、界面の違いのみを議論可能とするために高品質単結晶エピタキシャル薄膜を用いて電極を作製し、その上部に様々な材料を堆積させてから正極特性を評価し、表面担持の手法における高速充放電特性向上機構を明らかにしようとした。まず、有限要素法を用いた電磁界シミュレーションにより三相界面での電界集中を可視化し、担持材料の比誘電率によって電界強度が大きく変化することを発見した。シミュレーションの結果と同様に、比誘電率が大きい材料を担持した場合、高速充放電時の出力容量が改善し、リチウムイオンの界面移動抵抗も低減できる事がわかった。さらに、充放電後の薄膜について評価したところ、三相界面付近においてSEIと呼ばれる充放電反応の副反応生成物がほとんど堆積していない事もわかった。イオン伝導の観点から、SEIは固体であるために電解液と比較してそのイオン伝導率は著しく低い事が容易に予想でき、SEIが堆積しにくい状況を実現する事でイオン伝導率の高い電解液が電極と直接接触できるようになることでリチウムイオンの界面移動抵抗が低減できる一つの要因だと理解できる。また、表面担持を施した薄膜では繰り返しサイクル特性も向上しており、この結果は三相界面付近では副反応生成物であるSEIが堆積しにくい状況であるため、充放電を繰り返し行った際も副反応を抑制する事で可逆性を向上できることを示している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(8 results)