2019 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic basis of regulating home-cage activity in mice
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19J15360
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
上田 奈央子 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 自発行動 / 活動量 / Arl8b / CRISPR/Cas9 / Gタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
私達が日々行う、歩く、走るといった意図を持った自発的な身体行動(自発行動)は、生活上重要な行動のひとつである。自発行動は、身体的・精神的に健康な状態の維持に重要な機能を果たしているが、関与する遺伝子やその制御機構については理解が進んでいない。本研究では、自発行動に関わる遺伝子とその制御機構を明らかにすることを目的とする。 これまでの研究により、自発行動上昇の候補遺伝子としてADP ribosylation factor-like 8B (Arl8b)を見出した。Arl8b遺伝子は低分子量Gタンパク質ARL8Bをコードしており、リソソームの細胞末端への移動に重要なタンパク質である。まず、定量PCRにより脳でのArl8b遺伝子の発現を解析したところ、小脳におけるArl8b遺伝子の発現が実験用系統C57BL/6(B6)に比べ野生系系統MSM/Ms (MSM)が有意に高いことが分かった。MSMはB6に比べ高い活動量を示すことから、この高活動がArl8b遺伝子の高い発現に起因している可能性を示唆している。次に、CRISPR/Cas9システムを用いて、Arl8b遺伝子変異マウスとArl8b遺伝子ノックアウト(Arl8b-KO)マウスを作出したところ、ホモ型変異マウス及びArl8b-KOマウスは出生後すぐに死亡した。そのため、ヘテロ型Arl8b-KOマウスおよびヘテロ型Arl8b遺伝子変異マウスの行動解析を行った。Arl8b遺伝子は自発行動上昇の候補遺伝子として見出したため、Arl8b遺伝子変異あるいはノックアウトによって自発行動が低下するのではないかと予想していたが、ヘテロ型Arl8b-KOマウスは異常を示さず、ヘテロ型Arl8b遺伝子変異マウスは野生型に比べ高い活動量を示した。これらの結果から、Arl8b遺伝子の自発行動制御への関与を示すことができた。また、自発行動制御には、Arl8b発現量とARL8Bの活性の2点が自発行動制御に重要である可能性がある。そのため、Arl8b遺伝子の活性に主に着目し、その機能と自発行動との関連を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Arl8b遺伝子変異マウスとArl8b遺伝子ノックアウト(Arl8b-KO)マウスの行動解析を行い、Arl8b遺伝子の自発行動制御への関与を確認することができた。Arl8b遺伝子は自発行動を上昇する候補遺伝子として見出したため、Arl8b遺伝子の変異あるいはノックアウトによって活動量が下がると予想していたが、予想とは反し、Arl8b遺伝子変異マウスは活動量が上昇するという結果を得た。ARL8Bの活性に着目した解析を行うため、CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集により、ARL8B のConstitutive active型(Q75L)とDominant negative型(T34N)を持つマウスを作製し、ホームケージ活動性テストをはじめとする自発行動を測定する行動実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
Arl8b遺伝子変異およびノックアウトマウスの行動解析を行い、自発行動制御にArl8b遺伝子の関与を示してきた。今後は、現在ARL8Bの活性に着目し、得ている遺伝子改変マウスの行動解析を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)