2020 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic basis of regulating home-cage activity in mice
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19J15360
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
上田 奈央子 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | Arl8b / リソソーム / 活動量 / 自発行動 / 飢餓状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度に引き続き、ADP ribosylation factor-like 8B (Arl8b)遺伝子について、すでにCRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集により得られたArl8bのノックアウトマウス(Arl8b-KO)、キネシンなど他のタンパク質と結合するエフェクター領域に近い3アミノ酸をコードする9塩基を欠損したArl8b遺伝子変異マウス(Arl8b-Δ9)、Constitutively active型(Arl8b-Q75L)およびDominant negative型(Arl8b-T34N)のマウスから単離した細胞培養系の解析およびそれらの改変マウスの行動解析を行った。 ARL8B は主にリソソームに局在する低分子量Gタンパク質であり、リソソームの細胞末端への移動に必須のタンパク質である事がわかっている。リソソームは細胞の栄養状態の感知に重要な役割を担っており、細胞内の栄養状態によりリソソームの局在が変化する事がわかっている。そこで、ARL8Bが、細胞の栄養状態によるリソソームの局在変化に関与しているのかを検証した。その結果、野生型由来のマウス胎児線維芽細胞(MEF)と4つの変異マウス由来のMEFの間で、通常状態の培養条件下でのリソソームの局在に大きな差は見られなかったが、飢餓状態から富栄養状態に戻すと、Arl8b-Δ9マウス由来とArl8b-T34Nマウス由来のMEFでは、細胞の末端へのリソソームの移動が遅れることを見出した。 次に、ARL8Bのタンパク質活性と自発行動の関係性を調べるため、ホームケージ活動性テストをはじめとする自発行動を測定する行動実験を行ったところ、Arl8bーT34Nマウスは、ホームケージ活動量テストにおいて高い活動量を示す傾向が見られたが、Arl8bーQ75Lマウスは特に異常を示さなかった。 以上のように今年度は、ARL8Bの遺伝子編集マウスを複数系統作出し、初代培養細胞でのリソソームの局在にARL8Bが関与すること、特に飢餓からの回復期にARL8Bが重要であることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)