2019 Fiscal Year Annual Research Report
基礎・臨床の融合による遺伝性腎炎アルポート症候群の遺伝子型・表現型連関の基盤構築
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19J15443
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
嘉村 美里 熊本大学, 生命科学, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | アルポート症候群 / 個別化治療 / 遺伝子型・表現型解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルポート症候群はType IV collagen (COL4A3,COL4A4,COL4A5)何れかの遺伝子変異を原因とする腎疾患である.数百種類の変異が存在し,変異により病態重症度が異なることが報告されているが,変異ごとの病態分子機序は不明な部分が多く,変異に応じた治療薬開発等はほとんど進んでいない.本研究では,最大の目的である「アルポート症候群の個別化治療の実現」に向け,変異ごとの Type IV collagen 三量体形成の異常に着目した検討を行った. 臨床の患者情報をもとにSplit NanoLuciferaseによるType IV collagen 三量体評価を行った結果,重症・軽症の変異がそれぞれ異なる三量体特性(細胞外への三量体分泌低下,細胞内での三量体形成不全)を呈することを明らかにした.また,SNPsの変異については三量体の変化がみられなかったことから,非病原性変異の特定も可能であることが示唆された.加えて,アルポート症候群と共通した糸球体病理像を呈する巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)のコホートから同定したCOL4A3,COL4A5変異についても三量体の評価を行い,非病原性・病原性変異の区別が可能であることを示した. さらに,患者病態を模擬するべく,Type IV collagen の三量体形成・分泌の異常を呈する新規アルポート症候群モデルマウスの作製を行った.中でもα5(COL4A5) の exon41 を欠失させたマウスモデルにおいて,三量体の細胞内蓄積(分泌低下)とそれに伴う進行性の腎障害が確認された. 本研究成果は,臨床における患者重症度の予測や病原性変異の同定に重要なエビデンスを提供しうるものであるとともに,変異に応じた治療薬開発の基盤として大きく貢献することが期待される.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(2 results)