2019 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素還元酵素反応中間体の動的構造解析による触媒反応機構の解明
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19J15471
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
武田 英恵 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 金属酵素 / ヘムタンパク質 / 反応機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、一酸化窒素還元酵素(NOR)のLCP結晶にケージドNOとケージド電子を浸潤させ、時間分解SFXシリアルフェムト秒X戦結晶構造解析)のための2段階励起システムを構築する予定であった。しかし、この方法では結晶の還元状態を保つことは困難であったため、LCP結晶の結晶化方法の再検討を行った。当初予定していたインジェクターからLCP結晶を結晶化媒体とともに流す手法から、サンドイッチ法によって薄いフィルムの間でLCP結晶化を行い、その結晶をフィルムのままX線結晶構造解析を行う手法へと変更した。この手法を用いれば、結晶の気密性を保つことが出来るためケージド電子を使わなくても、還元型NORの結晶を作りケージドNOを浸潤させそこへ従来のように紫外光を手法を使うことが可能となる。この手法を実現するため、極力酸素を透過しないフィルムの間に嫌気状態(グローブボックス内)で溶液状態の還元型NORを挟み、好気条件にてどの程度NORの還元状態を保持できるかを確認した。その結果溶液状態において約6時間程度還元状態を保持できることが確認できた。本年度は、X線自由電子レーザ施設SACLAでの測定までに至らなかったが、次年度の測定に繋がる測定手法の変更および進展があった。 また、本年度はNOR酵素反応中に現れる2種類のNO結合型反応中間体の同定にも取り組んだ。これまでに時間分解赤外吸収分光測定によって第一反応中間体についてはヘム鉄と非ヘム鉄で構成されたNORの活性中心において非ヘム鉄にNOが結合した状態であることは明らかに出来ていた。第二反応中間体については現在のところ同定には至っていない。そこで本年度より新しくEPR分光法を用いた反応中間体の捕捉を試みた。現在、EPR分光法を用いて既に第一反応中間体の捕捉に成功しており、測定条件を検討することで第二反応中間体の捕捉もできると期待している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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