2020 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能を支えるポリシアル酸修飾された神経細胞接着分子の構造と機能の解明
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19J15553
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 愛理 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ポリシアル酸 / 糖鎖 / 精神疾患 / 神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下の2点の研究課題について、研究を実施した。 (1)硫酸化糖鎖が関与するポリシアル酸(polySia)構造の新たな制御機構の解明:神経細胞を用いた実験系を用いて、硫酸化糖鎖生合成酵素発現下でポリシアル酸転移酵素(polyST)が生合成するポリシアル酸量が減少することが見出された。また、実際の生体脳において、硫酸化糖鎖によるポリシアル酸の制御が起こっているのかを証明するため、免疫沈降実験を用いてマウス胎児脳、成体脳における神経細胞接着分子(NCAM)およびpolySia-NCAM上の糖鎖構造を解析した。その結果、異なる糖鎖構造が異なるNCAMアイソフォーム上に存在することが見出され、硫酸化糖鎖によるポリシアル酸の制御機構はNCAMのアイソフォームの発現にも影響を与えていることが示された。 (2)ポリシアル酸転移酵素が関与するポリシアル酸構造の制御機構の解明:HEK293T細胞を用いて、STX単発現、PST単発現、STX(SNP-7)(統合失調症型)、STX-PST共発現、STX(SNP-7)-PST共発現由来の分泌型polySia-NCAM-Fcを精製した。昨年度に引き続き、詳細な構造解析を進めた結果、シアル酸の結合様式やコアの糖鎖構造に違いがあることが見出された。さらに、同じpolySia-NCAM-Fcを用いて、機能解析も行った。これまでに、単発現系のpolySia-NCAM-Fcが持つ機能を明らかにしてきたため、本年度はSTXとPSTの共発現系で得たpolySia-NCAM-Fcについての機能解析を行った。その結果、共発現系のpolySia-NCAMは、単発現系のpolySia-NCAMよりも、複雑にその機能が制御されていることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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