2019 Fiscal Year Annual Research Report
The multifaceted function and quality clarification of saturated polysaccharides contributing to the activation of intestinal immunity
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19J20015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
BAK Juneha 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ligand-aided NMR / fucoidan / sulfated saccharide / imidazole |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 これまでの研究において、褐藻類に含まれる硫酸化多糖の一種であるフコイダンが抗がん作用や免疫増強作用などの生理機能に硫酸基が重要な役割を果たしていることが報告されている。しかし、多様で複雑な構造を有するフコイダンの硫酸基含量を測定できる分析法はまだ確立されてない。そこで、核磁気共鳴装置を用いた硫酸基定量法の確立を目的とした。また、フコイダンの生理機能発現における作用機構の解明を目的として、細胞表面受容体の探索を含めて分子構造に基づく腸管免疫活性化における作用機構の解明に関する実証を行った。 結果 1. 硫酸化オリゴ糖の硫酸基定量法の確立 リガンド後補として選ばれたいくつかの化合物の中で、glycine、 piperazine、 arginine、 nicotinamide、 imidazoleなどの化学シフトは硫酸化糖類との共存下では変化したが、中性糖類との共存下では変化しなかった。この結果はこれらの化合物が硫酸基と特異的に相互作用していることを意味する。その内、imidazoleの化学シフトはモル比1を起点に大きく変化し、1:1に相互作用することが明らかになった。また、硫酸化単糖、二糖、四糖類でも同じ傾向示されたため、硫酸化オリゴ糖類及び多糖類の硫酸基含量を推定することができると考えられる。 2. マクロファージ細胞におけるフコイダンのマクロファージ活性作用と受容体の探索 RAWにおいてフコイダン刺激による TNF-alpha、NO生産量は有意に増加した。さらに、 cytochalasin D刺激による食細胞作用は有意に減少した。それに比べ、 TNF-alpha、NO生産量はコントロール群と比較して有意に増加した。また、蛍光標識フコイダンがマクロファージ細胞膜の表面に封着されていることからフコイダンのマクロファージ活性作用につながるフコイダン受容体存在の可能性がしめされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フコイダンの硫酸基の定量法の構築は進んでいる。また、セルソーターを用いたフコイダン受容体の探索のための細胞の単離も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 硫酸化多糖類の新規分析手法の開発と品質評価 (1-2) 食品素材中の新規フコイダンの硫酸基含量の定量法の構築: 2019年度に確立したligand-aided 1H-NMR法を適用するため、sigma aldrich社などから購入したフコイダン標品を用いた至適測定条件の再設定を行う。 (2) フコイダンの免疫調節作用機構の解明 (2-2) 腸管免疫におけるフコイダンの作用標的細胞の同定 蛍光標識フコイダンをマウスに経口投与した後、摘出した小腸組織に存在する免疫細胞を回収し、セルソーターを用いて蛍光標識フコイダンが結合した細胞を分離して細胞集団の解析および活性化状態の確認をすることで、フコイダンの作用対象となる免疫細胞を同定する。また、標識化フコイダンで処理した細胞から糖鎖標的タンパク質複合体を単離し、フコイダン受容体を同定する。
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Research Products
(3 results)