2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J20083
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀井 雄真 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 線維化 / 筋線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
線維化とは、組織にコラーゲンなどの細胞外マトリックスが蓄積し、硬化することで臓器の機能障害を引き起こす疾患である。そのため、線維化は、先進国の死亡原因の約45%に関与することが報告されているが、有効な治療薬は未だほとんど存在しない。線維化は、筋線維芽細胞という細胞群がコラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質を産生することにより、実行される。私は、心臓の線維化時に発現が増加し、線維化関連因子の産生を促進する転写関連因子を同定し、その機能解明を目的に研究を行っている。 昨年度に、目的の転写関連因子の下流分子の探索を行った結果、候補となる下流分子を同定した。本年度は、目的の転写関連因子と下流因子がどのようなメカニズムで線維化関連因子の発現を促進しているのかについて検討を行った。その結果、目的の転写関連因子は下流因子とともに、miRNAを介して線維化関連因子の発現を制御していることを明らかにした。 また、この目的の転写関連因子が生体内においても組織の線維化に関与しているかについて明らかにするために、現在筋線維芽細胞特異的にこの転写関連因子を欠損させたマウスの作成を行なっている。本年度は転写関連因子のfloxマウスと筋線維芽細胞特異的にCreを発現するマウスとの交配を行い、目的の遺伝子改変マウスを作成することができた。今後そのマウスの筋線維芽細胞において目的の転写因子が欠損していることを確認し、その後、遺伝子改変マウスを用いて実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の転写関連因子に結合するタンパク質が線維化関連因子の発現を制御するメカニズムを解明することができた。 また、筋線維芽細胞特異的な目的の転写関連因子欠損マウスの作成も順調に作成が進んで進んでいる。現在は目的の転写関連因子のfloxマウスと筋線維芽細胞特異的にCreを発現するマウスとの交配を行い、その子を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、生体内において目的な転写関連因子が線維化病態を行進する分子であるか検討を行う。そのために、まずは目的の転写関連因子のfloxマウスと筋線維芽細胞特異的にCreを発現するマウスの交配によって得られたマウスが筋線維芽細胞特異的に目的の転写関連因子が欠損しているか検討を行う。その後、実際に線維化モデルマウスを作成し、線維化の度合いを測定する予定である。
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