2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of temperature- humidity dependence of photo-aging mechanisms for polymeric coatings on building use and accompanying macroscopic properties change
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19J20126
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
石田 崇人 北海道大学, 工学院, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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| Keywords | 光劣化・紫外線劣化 / 高分子材料 / マルチスケール劣化解析 / 数理物理 / 劣化メカニズム / 材料長寿命化 / 材料評価 / PALS(陽電子消滅) |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年，建築・建設構造物の長寿命化及びライフサイクルコストの低減が社会的に要求されている．構造物の耐久性は表層における高分子塗膜をはじめとするソフトマテリアルに強く影響される．本研究では，外界におけるソフトマテリアルの劣化挙動を詳細に把握するために光強度，雰囲気温湿度といった代表的環境因子を独立可変とすることができる紫外線照射装置により劣化サンプルを取得し，多角的かつスケール横断的な「マルチスケール劣化解析」を実施する．高分子材料の物性は化学構造のみではなく材料内部組織構造にも強く影響を受けるため，化学構造変化や材料物性変化などの単一の要因を抽出し，その挙動を追うだけでは劣化メカニズムの解明には至らない．そこで本研究では，ミクロからマクロまで各スケールで生じる劣化事象を「マルチスケール劣化解析」により連続的に理解しつつ，各環境因子との相互作用を含めて劣化メカニズムを解明することにより，あらゆる環境に対して適切な劣化メカニズムの把握，劣化予測，高耐久化への提言を可能とすることを目的とする．
本年度は，乾燥雰囲気における光劣化挙動の温度依存性に着目してデータ収集・分析を実施した結果，劣化に伴う材料物性の大幅な低下を示すメソスケールの材料組織内部構造の変化を検出した．また，内部組織構造変化と劣化に伴う化学構造変化の間に明確な相関を見出した．その相関をもとに，数理物理的アプローチにより，光劣化を受けて材料物性が大きく低下し始める分岐点(初期の分子アーキテクチャの崩壊に伴う材料内部組織の構造転移)を予測するモデルを構築し，その妥当性を確認した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は，光劣化挙動の温度依存性に関する基礎データを収集し，劣化現象を包括的に理解するための方法を確立した．その結果，劣化に伴い材料物性の大幅な低下を示すメソスケールの材料組織内部構造の変化を検出し，内部組織構造変化と劣化に伴う化学構造変化の間に明確な相関を見出した．その相関をもとに，数理物理的アプローチによって物性が大きく低下し始める分岐点(初期の分子アーキテクチャの崩壊に伴う材料内部組織の構造転移)を予測するモデルを構築し，その妥当性を確認した．
加えて，定温環境下で光劣化挙動の湿度依存性データを取得を開始した．湿度依存性に関して，乾燥雰囲気での光劣化に対し，加水分解等の水分単独の作用による影響を加えるのみでは説明することのできない現象を確認しており，来年度は劣化因子として光と水分が同時に作用した場合の相互作用について検討を進めつつ，劣化予測の理論モデルの基盤構築にも着手する．
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| Strategy for Future Research Activity |
1. 光劣化における「温度・熱」，「湿度・水」の相乗作用評価．
劣化予測モデル構築のうえで非常に重要となる要件のひとつが各因子の相乗作用をいかにモデル化するかという点にある．光劣化挙動を予想する上で「温度・熱」，「湿度・水」はそれぞれ相加的に働くか，という点に着目し「温度」・「湿度」の因子をそれぞれ独立に変化させて実施する．
2. 劣化予測モデルの基盤構築
劣化予測モデルの構築のためにより前年度行った赤外分光分析に加え，より詳細なミクロスケールの劣化分析を実施する．具体的には，紫外線劣化の開始過程をESR(電子スピン共鳴法)により観察，また，劣化過程の進展をNMR(核磁気共鳴法)により化学的に劣化を生じやすい箇所を特定する．そして当該箇所の結合エネルギーを用いてKorcek式により解析し，劣化速度に最も強く影響する酸化propagation反応の速度定数を決定する．
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Research Products
(8 results)
