2021 Fiscal Year Annual Research Report
個人情報保護と推定精度のトレードオフ関係及びそれに関連した量子効果の数学的解析
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19J20161
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 裕哉 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 最適化 / 量子状態 / 差分プライバシー |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は, 2020年度までの研究に足りなかった数学的な解析を行った. 以下, 2020年度の研究と比較しつつ, 2021年度の研究について述べる. 古典的データXを量子状態に変換した際の差分プライバシーを古典量子DP, Xを別の古典的データに変換した際の差分プライバシーを古典DPと記す. 差分プライバシーでは, 正のパラメータεでプライバシーレベルを表す. たとえば, εが小さいとプライバシーレベルが高く, εが大きいとプライバシーレベルが低い. 2020年度までの研究では, 同じプライバシーレベル (同じε) の場合に古典と量子を比較した. 2021年度は, 異なるプライバシーレベル (異なるε) の場合に古典と量子を比較し, 古典DPと古典量子DPの差をプライバシーレベルのずれで定量的に評価することに成功した. これをもう少し詳しく述べる. ここで注目したい性質は, 有用性 (utility) とプライバシーレベルである. 一般に, プライバシーレベルを下げれば有用性が上がり, プライバシーレベルを上げれば有用性が下がる. これを踏まえると, 2021年度の研究成果は以下である. 一般に, 有用性は古典DPより古典量子DPの方が優れている (2020年度までの研究). しかし, 古典のプライバシーレベルを犠牲にすれば, 有用性の関係が逆転することを示した. さらに, どの程度プライバシーレベルを犠牲にすれば有用性の関係が逆転するのか, 定量的に評価した.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)