2019 Fiscal Year Annual Research Report
Generating a novel membrane-based voltage-driven motor protein toward understanding the motile mechanism of prestin
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19J20169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 誠 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | モータータンパク質 / 聴覚 / 有毛細胞 / 膜電位 / 輸送体 / SLC26 / 細胞運動 / ピエゾ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的である新しい膜電位駆動型モータータンパク質を創出するために、まずは鋳型となるタンパク質の候補の選定にとりかかった。膜電位によって生体運動を駆動するためには、まずタンパク質が膜電位を感受する性質を持つことが前提となると考え、膜電位感受特性を評価基準として候補を絞り込むことで効率的な選定を企図した。プレスチンの属するSLC26陰イオン輸送体の遺伝子ファミリーに着目し、プレスチン以外のSLC26輸送体が膜電位を感受するかどうかを電気生理学的計測により検証したところ、SLC26A7蛋白質に大きな膜電位感受活性を発見し、さらに膜電位に応答して3状態間を遷移することを示唆する結果を得た。これまでプレスチンの分子運動について、膜電位依存的な2状態遷移モデルが提唱されていたが、近年3状態以上の遷移を示唆する結果がいくつか報告されていた。しかし、それぞれの状態遷移は非常に近い膜電位域で起こると想定され、さらなる詳細な解析は困難であった。SLC26A7蛋白質において計測された2回の状態遷移は異なる膜電位域において起きることが示唆されるため、膜電位に対する応答をより詳細に解析できることが期待される。現在は、SLC26A7とプレスチンの比較解析により、膜電位感受特性に重要なアミノ酸残基を探索するとともに、より効率良く膜電位変化に応答できる変異体の構築に取り組んでいる。今後はそれらの変異体の大量発現・精製に挑戦し、精製が困難であるプレスチンの代わりに精製が可能な新しい膜電位駆動型モータータンパク質の創出を目指す。これらの成果は新しい膜電位駆動型モータータンパク質を創出するための重要な足がかりとなると同時に、これまであまり理解されていなかったプレスチンと他のSLC26輸送体の活性の類似性と相違性にせまり、哺乳類の正常な聴覚に重要な外有毛細胞の膜電位駆動型運動への理解を深めるものである。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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