2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19J20411
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 朝子 九州工業大学, 大学院情報工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 脳波 / 表情 / ネットワーク解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 実験データの収集 表情のピクトグラムと実際の表情写真を用いて、表情表出のタイミングを示した映像を作成した。被験者は映像の注視を続けながら、表情表出のタイミングが示された後に表示された画像と同じ表情を模倣した。この測定方法で、脳波及びfMRIのデータ収集を行った。各計測で目標被験者数である30名を超えた。
2. 新たな解析手法の導入 2019年度以前に行っていた解析手法の流れの一部を置き換えるもしくは評価方法の変更を行うことでより詳細に表情機能を同定する方法を模索した。 それらの解析結果として、開口閉口の笑顔表出によって左側のみの笑顔表出と似た傾向を得た。そのため、左側を笑顔の表出において優位であると推測される。新しく変更した評価方法により、2019年度までの活動部位推定と類似の結果を示すことから、今まで提案してきた活動部位推定に代わる簡便な手法となり得ると考えられる。また、構築されたネットワークのsmall-worldnessの値を算出することで、いくつかの表情表出条件のペアにおいて差が確認された。この時用いた脳波帯域はガンマである。そのため、Small-worldnessは周波数帯を限定することで表情の違いを検出できることが推測される。以上の脳波の解析結果より、表情表出時に使用している筋肉の位置を同定できることが示唆される。また、ポジティブな表情やネガティブな表情などが違った傾向を持つことより、感情の種類を同定できることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳波及びfMRIの各計測で目標被験者数である30名を超えていることから。 解析指標を置き換え・追加すること等により、解析手法の開発が発展していることから。ただし、当初導入を計画していた「カオスフラクタル解析」「ウェーブレット相互相関解析」について着手できていないため、おおむね順調という判定とした。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 新たに取得したデータの解析及び新しい実験計画:現在までに取得した新たな実験における計測データについての解析を行う。また、表情機能の同定として必要となる実験は新たに計画・実施することとする。 2. fMRI解析の発展:脳波解析を主として行ってきたが、今後はfMRI解析に対して時間を割き、より発展させていく。脳波解析結果を受け、特に小規模ネットワークについて詳細に解析をする。 3. 脳波解析手法の更なる改良:現在提案している解析手法を取りまとめる。また、導入を検討してきた「カオスフラクタル解析」「ウェーブレット相互相関解析」について着手し、現行の解析手法を改良していく。
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