2020 Fiscal Year Annual Research Report
Three-dimensional wake control of a finite-length cylinder with a hint of biological wing structures
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19J20739
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
李鹿 博華 山形大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 低アスペクト比円柱 / 流れ制御 / 三次元後流 / 流体抵抗 / Tomographic PIV / 3次元渦構造 / アーチ渦構造 / 三次元ウェーブレット変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
円柱の三次元後流の多重スケール渦構造において、時間―周波数―空間で三次元横・縦渦の構造や渦励振などを定量的に解明し、流れのエネルギーの分布・消散を明らかにすることを目的とした。昨年度では、三次元ウェーブレット変換とPOD解析に基づいて、周波数―空間―時間において三次元速度・渦度を解析し、各スケールの流れのエネルギー分布と渦発生の関係を定量的に解明した。 (1)三次元Tomo-PIV計測、三次元ウェーブレット変換と三次元POD解析により通常円柱の三次元後流構造の分析を行った。円柱の後流においては、アップウォッシュとダウンウォッシュにより発生した3次元W形アーチ渦構造が新たに発見された。アーチ渦構造の頭部形状は、円柱のアスペクト比によるものであることがわかった。さらに、W型アーチ渦は時間平均の中スケールで見られ、M型アーチ渦は大スケールで現れたことが示された。 (2)Tomo-PIV計測におけるRIH円柱の三次元後流構造の分析を行った。RIH円柱のW型アーチ渦の肩での渦度は、通常円柱の渦度よりも小さいことがわかった。W型アーチ渦は穴の影響により、通常円柱の渦よりもゆっくりと崩壊したことが確認できた。 (3)Tomo-PIV計測におけるHH円柱の三次元後流構造の比較について解析した。水平穴からの吹出し流の影響により、W型アーチ渦の傾きが通常円柱よりも大きくなり、W型アーチ渦は弱くなった。HH円柱の大スケール渦構造は通常円柱よりも小さくなり、穴の高さが高くなるにつれて明らかになった。 (4)Tomo-PIV計測におけるFIH円柱の三次元後流構造について分析した。傾斜穴からの吹出し流の影響により大きなダウンウォッシュが発生したため、Wアーチ渦が通常円柱よりも大きくなり、穴の高さとともに減少した。W型アーチ渦と渦のペアはFIH円柱後流の中スケール構造ではっきり見られたことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)高解像度三次元Tomographic PIV 計測であるため、三次元流れの詳細構造を解析できた。 (2)3台のパソコンで並列に計算を行ったために、大量の計測データを短時間で処理でき、三次元ヴェーブレット変換を計算した。
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Strategy for Future Research Activity |
低アスペクト比円柱の三次元後流を制御する技術の応用研究として、航空機や車のボルテックス・ジェネレータ、新幹線のパンタグラフの支柱などに空気抵抗を減らし、防波堤の表面に設置した円柱群により波のエネルギーを消散することができる。本年度は以下の研究内容を実施する。 (1)空気抵抗低減の円柱(穴を設ける)は航空機のボルテックス・ジェネレータとして提案する。風洞での可視化・抗力測定の実験を行い、空気抵抗低減の効果を評価する。 (2)高い流体抵抗の円柱(穴を設ける)は防波堤の表面に設置した物体として提案する。回流水槽において可視化・抗力測定の実験を行い、流体抵抗の変化を評価する。 (3)研究結果をまとめて発表する。
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