2021 Fiscal Year Annual Research Report
1電子移動型クロスカップリング反応によるカルボン酸の官能基化反応
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19J20842
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 津久志 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | カルボン酸 / エノラート化 / 触媒 / 重水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、脂肪族カルボン酸の触媒的なエノラート化に適用可能な新規触媒系の開発に取り組み、「カルボン酸の触媒的α-重水素化反応」を開発した。本研究では塩基、酸無水物、求核剤をそれぞれ触媒量用いる新規触媒系を開発し、良好な収率・重水素化率を達成した。本反応は基質のカルボン酸と酸無水物により生じる混合酸無水物を中間体とし、Bronsted塩基触媒によってエノラート化する機構を想定していた。 本年度は本反応の合成化学的有用性を向上させるためにグラムスケール合成への適用を検討した。その結果、5gスケールでの重水素化を達成した。またその際、重水素源を溶媒量(34当量)として用いた条件から、一般的な共溶媒を用いて重水素源を10当量に低減した条件への改良にも成功した。また、本年度は本反応の反応機構解析にも取り組んだ。その結果、本反応では予想通り混合酸無水物がエノラート化する経路も存在したものの、主の経路は酸無水物と求核触媒から生じた活性種がエノラート化する機構であった。さらに、前年度に合成した重水素化EP3アンタゴニストに対してヒトミクロソームに対する代謝安定性試験を実施した。その結果、重水素非置換体と比較して代謝安定性の向上が見られ、半減期の延長を確認した。上記の結果を踏まえて本年度は「カルボン酸の触媒的α-重水素化」として論文の投稿を行った。 本研究によりカルボン酸の新たなエノラート化法の開発に成功したため、今後、本触媒系を基盤としたカルボン酸の直接的な化学修飾法への幅広い展開が期待できる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] α-Amino acid and peptide synthesis using catalytic cross-dehydrogenative coupling2022
Author(s)
Taro Tsuji, Kayoko Hashiguchi, Mana Yoshida, Tetsu Ikeda, Yunosuke Koga, Yusaku Honda, Tsukushi Tanaka, Suyong Re, Kenji Mizuguchi, Daisuke Takahashi, Ryo Yazaki, Takashi Ohshima
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Journal Title
Nature Synthesis
Volume: 1
Pages: 304, 312
DOI
Peer Reviewed
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