2021 Fiscal Year Annual Research Report
Fractal geometry, zeta functions associated with fractals, and applications to number theory
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19J20878
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 耕太 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 等差数列 / フラクタル次元 / 素数表現定数 / 素数表現関数 / Millsの定数 / カントール集合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は与えられた集合にどのくらい項数の大きい等差数列が存在するかという問題を主題とし、項数の大きい等差数列が存在するような新しい集合のクラスを与えることを目的としている。主な手法は集合の複雑さを実数で表すフラクタル次元を用いている。今年度の研究では等差数列の存在性について進展は得られなかったが、フラクタル幾何学の整数論的な応用例の1つとして研究していた素数表現関数について大きい進展が得られた。 研究の具体的内容について述べる。1940年代にMillsは素数を次々に生成する関数について研究を行い、ある二重指数関数の整数部分で無限個の素数が記述できるということを明らかにした。その二重指数関数の底に相当する定数を素数表現定数と呼ぶ。特に、Millsの構成によって得られる最小の素数表現定数をMillsの定数と呼ぶ。このMills定数が無理数であるか有理数であるかは未解決問題である。 そこで、本研究で二重指数関数がある条件をみたすとき、素数表現定数の超越性や代数的独立性を明らかにした。さらに、素数表現定数を集めた集合がフラクタル図形であるカントール集合と連続的に移り合う(同相である)ことを明らかにした。ただし、Millsの定数が無理数であるか有理数であるかは未だにわからない。今後の研究課題の1つとしたい。本結果は論文にまとめ、Mathematikaに受理された。 その他の活動として研究とは少し離れるが、オンラインで行われた第15回ゼータ若手研究集会の組織委員の代表を務めた。集会のような大規模なものだけではなく、オンラインのゼミを複数中心的に企画・実施した。iPad等の情報機材を積極的に活用し、コロナ禍でも研究者との交流を能動的に行った。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)