2021 Fiscal Year Annual Research Report
肉用鶏の形質マーカーの確立を目指した骨格筋芽細胞の網羅的な遺伝子発現解析
Project/Area Number |
19J20888
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
二橋 佑磨 信州大学, 総合医理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Keywords | 骨格筋幹細胞 / 筋芽細胞 / ニワトリ / 遺伝子発現解析 / オリゴDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究において、マウスとヒトの筋芽細胞の分化を誘導する筋形成型オリゴDNA(myoDN)と呼ばれる18塩基のオリゴDNA群が同定されている。また、生薬分子ベルベリンは、myoDNの一つであるiSN04と直接結合することでiSN04の筋分化活性を増強することが報告されている。myoDN-ベルベリン複合体は、家畜の有益な飼料添加物として有用であると考えられる。しかし、myoDNが鳥類の筋芽細胞にも効果を示すかは不明である。そこで本研究では、myoDN-ベルベリン複合体がニワトリ筋芽細胞の分化を誘導するかを検証した。 7種類のmyoDNを含む19種類のオリゴDNAをニワトリ筋芽細胞に投与し、骨格筋の最終分化マーカーであるミオシン重鎖の発現を指標に筋分化活性を評価した。マウスやヒトと同様に、ニワトリ筋芽細胞の筋分化においてもiSN04が最も高い筋分化活性を示した。iSN04がニワトリ筋芽細胞の増殖に与える影響を細胞数の計測とEdU染色によって評価した結果、iSN04は濃度依存的にニワトリ筋芽細胞の増殖を抑制することがわかった。次に、ミオシン重鎖の免疫染色によってiSN04が筋分化に与える影響を調べた。iSN04投与群では、ミオシン重鎖陽性の筋細胞の割合と筋管形成率が有意に増加した。iSN04-ベルベリン複合体の投与は、iSN04単体よりも強力な筋分化促進作用を示した。遺伝子発現解析では、対照群と比較して、iSN04およびiSN04-ベルベリン複合体投与群で、筋分化転写因子MyoDとマイオジェニンの発現量が有意に増加した。 本研究により、iSN04-ベルベリン複合体が筋分化プログラムの活性化を介して、ニワトリ筋芽細胞の分化を誘導することを見出した。また、ベルベリンは、iSN04の立体構造を安定化させることで、マウス同様にニワトリ筋芽細胞の分化も促進することが示唆された。myoDN-ベルベリン複合体の作用機序を解析することは、哺乳類と鳥類で高度に保存された筋分化促進機構の発見につながると期待される。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)