2021 Fiscal Year Annual Research Report
感覚処理感受性に注目した大学生の抑うつ低減モデルの検討:健康教育への応用に向けて
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19J20902
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
矢野 康介 立教大学, コミュニティ福祉学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 感覚処理感受性 / Highly Sensitive Person / 環境感受性 / 抑うつ傾向 / メンタルヘルス / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity;以下,SPSと略記)の個人差に注目し,抑うつ傾向の低減に向けた健康教育を行うための基礎的知見を提供することを目的としている。令和3年度は,以下に示す2件の研究を行った。 第一に,既存のSPS測定尺度であるHSPS-J19(髙橋,2016)では,測定精度の低さや項目数の多さといった課題が指摘されている。この点について,国外での取り組みを参考として(Pluess et al., 2020),SPSが高い個人の特徴をより強く反映する項目のみに限定した短縮版尺度の作成を試みた。計2,388名の日本人成人を対象に,2件の横断的質問紙調査,1件の縦断的質問紙調査,1件の実験的アプローチを行ったところ,10項目で構成される日本版Highly Sensitive Person scale 10項目版(HSP-J10)が作成された。加えて,既存尺度のHSPS-J19よりも高い測定精度を有することが示された。 第二に,全国の大学生1,124名を対象に3時点の縦断的質問紙調査を実施した。測定項目は,SPS(HSP-J10により測定)と抑うつ傾向に加え,認知的感情制御とソーシャルサポートの計4項目であった。潜在成長モデルを用いた検討を行ったところ,一部の要因はSPSの程度に関わらず,抑うつ傾向の低減と有意な関連を示していた。その一方で,その他の要因は,SPSの程度に応じて,抑うつ傾向と独自の関連を有していた。 前年度までの研究成果と合わせると,SPSの個人差を踏まえたうえで,抑うつ傾向の低減を目的とした効果的な健康教育を実施するための知見を提供できたと考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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