2019 Fiscal Year Annual Research Report
耕作放棄が鳥類多様性に及ぼす影響は正か負か?集約度と季節から迫る全国規模での検証
Project/Area Number |
19J20957
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北沢 宗大 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 保全生態学 / 耕作放棄地 / 鳥類 / 種数 / 個体数 / 農地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、日本各地の野外調査により、耕作放棄地の鳥類の生息地としての価値を日本全国で評価することである。特に、季節の効果に着目するために、夏と冬の2回の調査を計画している。また、耕作放棄地の生息地としての価値を、農地の生息地価値と比較する上で、農地の集約度をばらつかせて調査することも計画している。調査地の下見を10月に実施し、野外調査を12-2月に行った。 調査地選定は採用初年度の4-10月にかけて実施した。まず、気象庁が提供している日本全国の気候データを参考に、調査地域の選定作業を行った。その結果、125km×125kmからなる調査地域を、北海道札幌市から佐賀県佐賀市に至るまでの日本全国の10地域に設置し、169地点の調査プロット候補を得た。10月以降に調査プロット候補地を実際に訪れ、調査地として適しているかを現地で検討した。調査地として適していると判断した場合には、市役所・土地改良区・近隣住民への聞き込みにより、地権者の特定作業を行った。地権者を特定できた場合には、直接地権者のもとへ赴き、該当箇所への立ち入り許可を得た。 2019年12月1日から2020年2月23日まで、選定した調査プロットで野外調査を実施した。調査は、北海道・青森・新潟・岐阜・愛知・三重・滋賀・鳥取・島根の1道8県で実施した。各調査プロットについて、期間内に3回の調査を実施し、プロット内に出現した鳥類の種数と個体数を記録した。結果についてはまだ集計中であるが、申請時に検討した仮説に概ね沿った結果が得られていると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採用時の予定では、採用初年度の4月に調査地の下見を行い、5-7月および12-2月に野外調査を計画していた。しかしながら、様々な集約度の農地を、航空写真などから選定する作業が想定以上に困難であり、調査地選定が採用初年度の10月まで延びてしまった。そのため、5-7月の野外調査を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施できなかった5-7月の調査は採用2年目に実施する予定である。
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