2020 Fiscal Year Annual Research Report
耕作放棄が鳥類多様性に及ぼす影響は正か負か?集約度と季節から迫る全国規模での検証
Project/Area Number |
19J20957
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北沢 宗大 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 保全生態学 / 耕作放棄地 / 鳥類 / 種数 / 個体数 / 農地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、日本各地の野外調査により、耕作放棄地の鳥類の生息地としての価値を日本全国で評価することである。特に、季節の効果に着目するために、夏と冬の2回の調査を計画している。また、耕作放棄地の生息地としての価値を、農地の生息地価値と比較する上で、農地の集約度もばらつかせて調査している。本年度は主に野外調査を行い、5月から7月にかけて繁殖期の鳥類調査、そして12月から3月にかけて越冬期の鳥類調査を実施した。更に、耕作放棄地に成立した植生を調べる調査も実施した。 5月から7月にかけて実施した繁殖期の鳥類調査は、北海道・青森県・新潟県・愛知県・岐阜県・三重県・滋賀県・鳥取県・島根県にて実施した。各調査プロットについて、期間内に3回の調査を実施し、プロット内に出現した鳥類の種数と個体数を記録した。結果について予備解析を実施したところ、申請時に検討した仮説に概ね沿った結果が得られていると考えている。 12月から3月にかけての越冬期の鳥類調査は、北海道・宮城県・茨城県・千葉県・徳島県・香川県・岡山県・福岡県・佐賀県・長崎県にて実施した。各調査プロットについて、期間内に3回の調査を実施し、プロット内に出現した鳥類の種数と個体数を記録した。今年度の越冬期調査を終えたことで、計画していた越冬期の野外調査は全て終えることができた。植生調査は、鳥類と同じ調査プロットで実施した。鳥類の調査プロット内に4m×4mの植生調査コドラートを設置し、コドラート内の被子植物各種の被度を記録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北海道から島根県にかけての繁殖期の鳥類調査と、北海道から長崎県にかけての越冬期の鳥類調査を計画しており、これらの調査を当該年度に完遂することができたため。また、特別研究員採用時には計画していなかった、耕作放棄地に成立した植生の調査についても実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
繁殖期の鳥類調査および植生調査を2021年度8月までに終了させる。鳥類および植物の調査結果については、9月をめどにデータ整理および解析を終え、9月以降には論文執筆にとりかかりたい。
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Research Products
(4 results)