2019 Fiscal Year Annual Research Report
窒化シリコン系リング共振器によるオンチップ広帯域周波数もつれ光子対源の実現
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19J20968
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 健太 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 四光波混合 / リング共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,オンチップ広帯域周波数もつれ光子対源の実現に向けて,窒化シリコンリング共振器と高屈折率コントラストドープガラスリング共振器の2つのデバイスを用いて研究を行ってきた.窒化シリコンリング共振器に関する研究では,3つの異なる窒化シリコン層成膜方法(減圧CVD,プラズマCVD,液体ソースCVD)を用いてリング共振器を作製し,作製したリング共振器の分散を測定し比較することで,窒化シリコン成膜プロセスの最適化を行った.さらに,赤外分光測定装置を用いることで,波長1500nmから1530nm付近において,Si-H,N-H結合による吸収の存在を確認した.今後は更なるデバイス作製精度の向上を行っていく予定である.さらに,新たなデバイス作製を設計し,LIGENTEC社にデバイス作製を依頼した.作製されたデバイスを測定した結果,およそ100nmの帯域での光子対発生を確認した.この結果は,申請時の計画を1年前倒しする結果である.また,高屈折率コントラストドープガラスを用いた研究では,リング共振器の透過スペクトルから,光子対の発生帯域を計算し,実験結果との比較を行った.その結果,測定結果と計算結果がよく一致していることを確認した.本研究は現在論文投稿中である.また.発生光子対の周波数相関を確認する方法として,マイケルソン干渉計を用いた方法を考案し,実験的に確かめた.その結果,周波数相関の有無に応じて,得られた干渉信号周期が異なることを確認することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度,窒化シリコンリング共振器に関しては申請者は,これまで測定した高屈折率コントラストドープガラスリング共振器を用いた32 nmを超える,およそ100 nmを超える帯域での光子対生成に成功した.この結果は,採用第2年度目での達成を計画していたが,1年前倒しで達成することができた.よって奉書の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,窒化シリコンリング共振器のQ値向上に向けて,デバイス作製精度向上を行っていく予定である.また,高屈折率コントラストドープガラスを用いて,より低分散なデバイスを用いて,さらなる広帯域発生を試みる.また,発生した光子対の周波数操作などの応用実験を行っていく予定である.
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