2021 Fiscal Year Annual Research Report
ウバウオ科ハシナガウバウオ亜科の系統分類と生態学的研究―吸着行動と形態進化
Project/Area Number |
19J21103
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤原 恭司 鹿児島大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Keywords | ウバウオ科 / ハシナガウバウオ亜科 / 分類 / 系統 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はウバウオ科ハシナガウバウオ亜科の再定義を行うとともに本亜科の構成属の再検討および各分類群の吸着生態と形態の考察を主に実施した。ハシナガウバウオ亜科はこれまで長らく、4属が含まれていたが、本研究代表者も参画したウバウオ科の分子系統論文や内部骨格を含む詳細な形態観察に基づき、本亜科を5つの形質で新たに定義し、3未記載属を含む14属を本亜科に認めた。ハシナガウバウオ亜科の有効属と見なされていたUnguitrema、Pherallodichthys(メシマウバウオ属)、およびAspasmodesの3属は、新参異名により無効な属であることが明らかとなった。上記の3未記載属はいずれもLepadichthys(ミサキウバウオ属)に含まれていた経緯が存在し、この内、1属はすでに新属Flabellicaudaとして記載された。残りの2属はそれぞれL. lineatus complex(タスジウミシダウバウオ“L.” geminusなど4種を含む)の種から構成される属とミナミウバウオ“L.” trishulaの1種のみから構成される属である。この他に実態が不明であったLepadicyathus(アマツミウバウオ属)を再記載し、本属にはミサキウバウオ属に含まれていたアマツミウバウオ“L.” minorの1種のみから構成される属であることが明らかとなった。これら一連の成果によって、大きな分類学的混乱を抱えていたミサキウバウオ属が整理され、本属には6有効種が含まれることが明らかになった。ハシナガウバウオ亜科では口部の形態、頭部の感覚孔の特徴、および吸盤構造の多様性が著しく高く、いずれも属レベルでの分類に有効であることが確認された。さらに、本亜科の吸着生態についても高い多様性が確認され、一部の吸着生態(例えば、ウミシダへの吸着生態や浮遊生態)は平行進化によるものであることが明らかとなった。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|