2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J21202
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
日浦 史隆 九州大学, 歯学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨吸収 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞の骨吸収は、破骨前駆細胞から破骨細胞への「分化」と分化した破骨細胞が骨を認識して吸収する「活性化」の2つのプロセスに大別される。非受容体型チロシンキナーゼc-Srcを欠損したマウス(c-SrcKO)は、破骨細胞が存在するにも関わらず、骨吸収不全による大理石骨病を呈することから、破骨細胞が骨吸収機能を発現する過程でc-Srcが必須の分子であると考えられている。しかし、c-Srcの下流分子については、幾つか候補分子が示されているものの統一した見解は得られていない。本研究では、野生型およびc-SrcKOマウス由来破骨細胞間で発現量の異なる遺伝子群を網羅的に解析した後に、real-time PCRによる検証、および文献情報をもとに、候補分子群の絞り込みを行った。その中で、c-Srcの下流で骨吸収に関与する分子としてLC3Aに着目した。LC3Aはタンパク質レベルでもc-SrcKOマウス由来破骨細胞で発現量が低下していた。さらにLC3の選択的阻害剤は、破骨細胞分化と成熟破骨細胞の骨吸収を抑制した。しかし、LC3Aを過剰発現してもc-SrcKOマウス由来破骨細胞の骨吸収能を回復できなかった。これらの結果は、c-SrcKOマウス由来破骨細胞の骨吸収能を回復するにはLC3Aだけでは不十分でLC3A以外の分子の関与が示唆された。次にLC3の選択的阻害剤をマウス歯周病モデルに局所投与すると、歯周病による骨吸収を抑制した。全身投与と比較して局所投与で効果を示せれば、比較的副作用の可能性を軽減できる上に、現在まで歯周病に有効な治療薬がないことから、LC3の選択的阻害剤が歯周病治療薬の候補の1つになる可能性がある。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)