2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J21207
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶浦 大起 広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 数学 / 組合せ論 / difference set / association scheme / デザイン理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,difference setを一般化した。 具体的には,association scheme(有限群の群環的な一般化)を関係の分割と見て一般化したrelation partitionという概念を導入し,relation partition上にdifference setの一般化としてequi-distributed functionという概念を導入した。まず,difference setで古典的に知られている手法を一般化し,無限系列を含む具体例の構成やいくつかの非存在定理を導いた。この結果は論文として公表した。 また,古典的によく知られているdifference setを探索するアルゴリズムを一般化し,equi-distributed funcitionの探索アルゴリズムも構成した。この探索アルゴリズムを有限群をrelation partitionとみてに応用することで,これまで未解決であった,ふたつの非同型な位数120の有限群について非自明なdifference setが存在しないことを実際に計算機を用いて証明することができた。この結果はある意味でequi-distributed functionの有用性を物語っているといえるだろう。この結果は現在論文執筆中である。 また,隣接分野の研究者との議論を活発に行い,cubature公式などの基礎的な知見を学ぶことができた。 今後,これらの知見も生かして研究をおこなっていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の計画の想定を超え,difference setの探索そのものを高速化するという新たな成果を得た。具体的な有限群を与えたときに,difference setを探索することは一般的に難しく,難問である。 この一般化は実際にいままで未解決であった有限群を解決するのみならず,特定の場合には 非常に高速化することが見て取れる。これは,今まで探索できなかった有限群に対して difference setを探索するための有用な手法となろう。 この結果は,本研究の主対象であるequi-distributed subsetのみならず,その原型であるdifference setそのものの研究を加速させる非常に興味深い結果であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
探索アルゴリズムをさまざまな研究者やエンジニアが利用可能な形で整理し,プログラムライブラリとして配布することなどが考えられる。また,数学的手法のみならず,計算機的な手法による一般化も非常に有用であると思われる。
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Research Products
(7 results)