2020 Fiscal Year Annual Research Report
古原生代後期の海洋環境変動原因の解明:大規模火成活動及び超大陸形成との関連
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19J21321
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
元村 健人 九州大学, 理学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 古原生代 / 有機炭素同位体比 / 砕屑性ジルコン年代 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度(採用第2年度)は,(1)フリンフロン帯に保存されるタービダート性堆積物中砕屑性ジルコンによる堆積年代の制約,(2)頁岩試料の微量元素分析による酸化還元状態の制約,(3)統計学的手法を用いた風化強度・後背地変化の推定を行った. (1)フリンフロン帯に保存されるタービダイト性堆積物から砕屑性ジルコンを分離し,U-Pb年代分析を行った.分析の結果,1860Maの顕著なピークを得た. (2)頁岩中微量元素(U, Ce)を用いた検討により堆積物がSuboxic環境で堆積したことを明らかにした. (3)黒色頁岩中主要元素濃度分析結果を統計学的手法を用いて解析することにより,風化強度と後背地変化を見積もった.その結果,苦鉄質岩由来物質の増加と風化強度強化がほぼ同時期に起きていたことが明らかとなった.これは,超苦鉄質岩を噴出したCircum-Superior LIPイベントを記録していると考えられる.これらの結果は有機炭素同位体比の減少から示唆されたCO2濃度増加と整合的である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響により研究遂行に多少の影響を受けたが,研究計画に大きな遅れは出ていない.また,これまでの研究成果をまとめ,論文化した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により,海洋底の酸化還元状態・有機炭素同位体比を概ね制約できた.最終年度は窒素同位体比分析により,地球表層の窒素循環変化を制約する.
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Research Products
(3 results)