2019 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン飢餓により誘導される新規リソソーム活性調節機構の解明
Project/Area Number |
19J21426
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
朽津 芳彦 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Keywords | リソソーム / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
リソソームは酸性加水分解酵素を含むオルガネラで、エンドサイトーシスやオートファジーにより膜内に取り込まれた生体分子の分解に関与している。このため、リソソームの分解活性を適切に保つことは、細胞内の恒常性の維持に不可欠である。特に、オートファジーが亢進し、リソソームへ多くの基質が流れ込む栄養飢餓時には、リソソームの分解能も亢進していると考えられる。しかしながら、これまで飢餓によるリソソームの分解能の調節機構はほとんど分かっていない。低分子量Gタンパク質Rab7の欠損細胞の解析を通して、栄養飢餓により、リソソームの分解能が急速に亢進する現象を独自に見出した。本研究では、このRab7欠損細胞をモデル系に用いて、新規リソソームの活性調節機構の解明を目指す。前年度までに、栄養飢餓によりオートファジー経路の最終段階(オートリソソームの分解・再生過程)が促進されることを見出した。今年度は、オートファジー経路だけでなく、エンドサイトーシス経路も栄養飢餓により促進されるのかを検証した。エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ、リソソームで分解されることで発光するDQ-Red-BSAを用いて、栄養飢餓処理による影響をセルソーターにより評価した。この結果、栄養飢餓によってDQ-Red-BSAのシグナルが増強することを見出した。この結果は、栄養飢餓によりオートファジー経路だけでなく、エンドサイトーシス経路も活性化されることを示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、栄養飢餓によりオートファジー経路の最終段階(オートリソソームの分解・再生過程)が促進されることを見出している。本年度は、オートファジー経路だけでなく、エンドサイトーシス経路も栄養飢餓により促進されるのかを検証するためのアッセイ系を構築した。エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ、リソソームで分解されることで発光するDQ-Red-BSAを用いて、栄養飢餓処理による影響をセルソーターにより評価した。この結果、栄養飢餓によってDQ-Red-BSAのシグナルが増強することを見出した。この結果から、オートファジー経路だけでなく、エンドサイトーシス経路も栄養飢餓により活性化されると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度はこの系を用いて、どの栄養源(アミノ酸、グルコース、血清)の飢餓によってエンドサイトーシス経路が亢進するのかを検討していく。さらに、I)栄養飢餓によりリソソームの酸性化が促進される可能性、II)栄養飢餓によりリソソーム酵素の輸送が促進される可能性を検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)