2021 Fiscal Year Annual Research Report
非晶質ナノシリカの獲得免疫を介したハザード発現機序解明とハザード回避の方法論確立
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19J21577
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
衛藤 舜一 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ナノマテリアル / 免疫毒性 / ナノトキシコロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、非晶質ナノシリカの複数回曝露により誘導される獲得免疫系を介した肝障害の増悪に関して、ナノマテリアルの物性や動態情報との連関解析や、ハザード発現機序解明を通じ、獲得免疫系を介したハザードを低減可能なナノマテリアルの医用工学的最適設計に資する情報収集を目指したものである。これまでに代表者は、(a)非晶質ナノシリカの獲得免疫系を介したハザード同定、(b)同定したハザードの誘導機序解明、及び(c)ハザード発現と非晶質ナノシリカの物性との連関情報の収集を遂行してきた。当該年度は、本研究課題の集大成として、ナノ安全科学研究とナノ最適デザイン研究の推進による、プロテインコロナ構成蛋白質に着目したハザード発現因子の絞り込みを行った。まず、肝障害マーカーを指標に、前投与・惹起投与の非晶質ナノシリカの物性が、肝障害増悪に与える影響を評価したところ、そのハザード発現が異なることを見出した。次に、ショットガンプロテオミクスにより非晶質ナノシリカに結合する蛋白質の種類・量を網羅的に解析した結果、同定された蛋白質の種類は278個であり、各種物性に特徴的な蛋白質を絞り込むことに成功した。さらに、以上の連関解析により、nSP50およびその表面修飾体等、前投与した際に共に肝障害の増悪を誘導する物性の非晶質ナノシリカに特徴的な蛋白質2種を絞り込んだ。原因因子を特定することは叶わなかったものの、コロナ構成蛋白質に着目した新しいアプローチにより、エピトープ部分の被覆や抗原性を獲得しない蛋白質によるマスキング、NM表面への蛋白質結合阻害など、ナノマテリアルのプロテインコロナに着目した、表面改変などの物性制御により安全なナノマテリアルの開発に資する研究になったと確信している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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