2021 Fiscal Year Annual Research Report
Search for a semiconducting quasicrystal and its application for thermoelectric materials by band engineering
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19J21779
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 祐昂 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 近似結晶 / 半導体 / 第一原理計算 / ブロッホ軌道解析 / バンドエンジニアリング / 熱電材料 / 準結晶 / キャリアドープ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度はAl-Si-Ru系半導体近似結晶にCuを4at.%ドープすることで正孔密度を最適化し、500KでzT=0.2と無置換試料に比べて約7倍性能を向上させることに成功した。 また、半導体準結晶の候補物質であるAl-Pd-Ru系準結晶の熱電特性が縮退半導体的な性質を示すことを明らかにし、単位胞当たり2~3個の電子をドープすることで半導体化することを予測した。 今年度は上述の結果に対して以下の研究を遂行した。 まず、Al-Si-Ru系近似結晶に関して、前年度ではp型の熱電特性最適化を試みたが、熱電発電モジュールの作製を見据えてp型だけでなくn型の熱電特性を最適化することを試みた。Al-Si-Ru系近似結晶に電子ドーパントとしてRhをドープした試料を作製し、熱電物性を測定した。その結果、ゼーベック係数は-200μV/Kを超える大きな値を示し、400KでzT=0.25と達成した。これまでにアルミ系準結晶・近似結晶ではn型の特性を示すものは存在せずn型が得られたのは今回が初めてである。更に、p型の準結晶・近似結晶系で最高の値であるAl-Ga-Pd-Mn系準結晶のzT=0.26とほぼ同じ値を示した。Al -Si-Ru系近似結晶でp,n両極性の試料が揃い、これらの材料系を用いた熱電発電モジュール開発の突破口を開いた。 また、Al-Pd-Ru系準結晶に電子をドープすることで半導体化させるためにSiをドープした試料を作製したところ、無置換試料で準結晶相の単相試料だったものが、金属的な熱電物性を示す2/1近似結晶であるP20相の単相になることが分かった。今後は液体急冷を用いることでSiを過飽和させた準結晶相の単相試料を作製することで、半導体準結晶の実現が期待できる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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