2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19J21839
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| Research Institution | Waseda University |
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Principal Investigator |
草野 翼 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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| Keywords | 非定常信号解析 / 短時間Fourier変換 / 窓関数 / 時間周波数マスキング / 瞬時周波数 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，干渉計測における観測データから高精度に干渉縞を復元することである．干渉計測データは測定対象が滑らかであれば局所的に狭帯域な特徴を持ち，非定常信号解析手法が求められる．平成31年度は非定常信号解析手法である短時間Fourier変換（STFT）に関する基礎検討を行った．STFTは，信号に対して窓関数をかけることで信号の一部を切り出し，Fourier変換を行うことで局所的な周波数応答を得る．したがってSTFTによって得られる時間周波数表現，STFTを用いた信号処理の結果は窓関数に依存する．
そこで，ノイズ除去などに応用される時間周波数マスキングに対する窓関数の影響を調べた．時間周波数マスキングの性能は窓関数の周波数特性と，変換を行うSTFT行列の条件数に関連することが分かった．その結果に基づき，周波数特性と条件数のトレードオフを制御するような窓関数設計をおこなった．その結果，条件数と周波数特性のトレードオフを適切に調整することでノイズ除去性能が向上することが確認された．
また，STFTを用いた信号処理において位相情報を考慮する上で利用される瞬時周波数を計算する際に窓関数が与える影響を調べた．数値実験から微分窓の周波数特性が瞬時周波数計算に大きく影響することを確認した．そこで，微分窓の周波数領域におけるサイドローブのエネルギー最小化に基づいた窓関数設計を行った．設計した窓関数が瞬時周波数計算，およびその応用であるリアサインメントに対する有効性が確認された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、干渉計測データのような局所的に狭帯域な構造をもつ信号の解析のためにSTFTの基礎検討を行った．具体的には，時間周波数マスキングと瞬時周波数計算に対して窓関数が与える影響について調査した．それぞれの結果に基づき窓関数を設計し，性能の向上を確認した．これらの成果を国内外の学会にて発表した．
時間周波数マスキングは非定常信号のノイズ除去において重要な技術であり，時間周波数マスキングへの影響を考慮して窓関数を設計することはノイズ除去性能向上において重要である．また，STFTの瞬時周波数は狭帯域信号の分離やノイズ除去などに応用されており，これまでの検討を踏まえることで干渉縞復元の性能向上が期待できる．したがって、本研究は概ね順調に進展していると考えている．
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度はSTFTを用いた非定常信号解析に関する基礎検討を行ってきた．令和2年度はこれまでの基礎検討を踏まえ，STFTを用いた非定常信号のノイズ除去に取り組む．狭帯域信号の成分が多く含まれていればSTFTの瞬時周波数は時間的な変化が小さく，ノイズが多く含まれる成分の瞬時周波数は乱れやすいという性質を利用し，狭帯域な信号とノイズの分離を行う．また，瞬時周波数計算と時間周波数マスキングに対する最適な窓関数というのは同じではないため，これまでの検討を踏まえて二つを考慮した窓関数の設計を行い，性能の向上を図る．
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Research Products
(10 results)
