2021 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド-金属の自己集合に基づく絡まりを伴う機能性球殻構造の構築
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19J21926
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猪俣 祐貴 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ペプチド / フォールディング / 絡まり / 自己集合 / 結び目 / カプセル / 配位結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
絡まりを伴う機能性球殻構造の構築を目指し、本年度は高次の複雑さをもつ巨大球殻構造の創出に着目して研究を行った。 前年度の研究において、配位性の強い官能基を有する側鎖による球殻構造の安定化効果が明らかとなっていたので、配位性側鎖を積極的に導入することによる巨大球殻構造の安定化を検討した。種々の検討の結果、末端アセチレン側鎖を有する人工アミノ酸をペプチド骨格に導入すると6nmサイズの巨大構造が溶液中で定量的に生成することが見出された。放射光施設での単結晶X線構造解析により構造を明らかにし、直径6.3nm, 金属60個と配位子60分子の計120成分からなる、正十二面体型の60交点巨大絡まり球殻構造の生成を確認した。この分子は、三配位の金属イオンと三座配位子によって形成されるネットワーク状絡まり部分構造が球状に閉じた構造と見なすことが可能であり、分子トポロジーの複雑さの階層をリングによる絡まりからネットによる絡まりへ上昇させた。内部空間に着目すると、それまでの24交点絡まりカプセルが有していた空間の十倍の体積を有する直径4nmの巨大空間を球殻構造内に有することが明らかとなった。これは、天然に存在するタンパク質を内包しうる空間サイズである。さらに、配位数の多さに由来する球殻構造の酸化・希釈・加熱に対する高い安定性も確認し、過激条件下での分子認識や触媒といった人工酵素への応用に適する性質をもつことを見出した。 以上のように、ペプチドー金属の自己集合に基づき、60交点数の複雑さをもつ巨大絡まり球殻構造の構築を達成した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)