2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J22018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小粥 一寛 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 非ガウス性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度に引き続き、銀河形状観測を用いた一般的な高スピン粒子由来の非ガウス性を探査する理論的な検証可能性についての調査を主に行った。本研究は、将来銀河の形状が精密に測定できることが可能になった場合に、形状観測を用いることで初期宇宙の理論モデルとの検証が可能であるかを目的としている。前年度までは銀河形状の高次モーメントを用いることで高エネルギー粒子のスピン由来の非ガウス性の存在可能性をスケール依存性から調べることが可能であることを発見した。さらに、線形解析においては高エネルギー粒子のスピン数と銀河形状のモーメントの次数が対応することが新たにわかった。銀河の形状を観測すると、潮汐場由来の銀河の歪みに加えて、観測者と銀河間にある物質による影響で銀河の像が歪む重力レンズ効果があることが知られている。より現実的な検証可能性を調査するために、高次モーメントを考えた場合における重力レンズの効果や非線形効果が非ガウス性の調査にどのような影響を与えるかについて調べた。その結果、まだ不定なパラメータが存在するが、いくつか現実的なパラメータ設定をしても、これらを考慮した場合に非ガウス性の存在可能性は検証可能であることがわかった。これらの結果は国際会議・研究会で発表・議論を行い、論文にまとめJournal of Cosmology and Astroparticle Physics(JCAP)に投稿し出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、理論予想に加えシミュレーションを用いた銀河形状におけるバイアスを測定する予定だったが、その着手に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
初期非ガウス性から表れる非ガウス性パラメータと銀河形状に対する高次の潮汐場のバイアスが縮退することが高次モーメントの銀河形状を用いても同じであることが本研究でわかった。当初の研究計画に挙げた、銀河形状に対する潮汐場の応答に対するバイアス係数に関して、赤方偏移依存性も含めて、シミュレーションを用いて高次モーメントについて初期非ガウス性の応答を調べる予定である。
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