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2019 Fiscal Year Annual Research Report

細胞核のバイオメカニクスを基軸にしたグリオーマ幹細胞の微小間隙浸潤機構の解明

Research Project

Project/Area Number 19J22105
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

長南 友太  慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2019-04-25 – 2022-03-31
Keywordsメカノバイオロジー / 細胞核 / グリオーマ幹細胞
Outline of Annual Research Achievements

悪性脳腫瘍を構成するグリオーマ幹細胞が周辺組織へ広く浸潤する時,組織内における数ミクロンの間隙を通過することで細胞核が大きく変形する.近年,細胞核は外力を感知し特定の応答を示すことで細胞の機能を調整することが示唆されている.そこで本研究では,微小間隙通過に伴うグリオーマ幹細胞の細胞核変形が治療抵抗性の一因である空間的不均一性を誘導する可能性とそのメカニズムを調査する.令和元年度は,数ミクロンの間隙を有するマイクロチップの作製と,マイクロチップ内およびコラーゲンゲルの微小間隙を通過するグリオーマ幹細胞の生存評価および形態観察を行った.始めにフォトリソグラフィー・ソフトリソグラフィ―によって直径数10ミクロンのマイクロピラーを等間隔に並べることで最小2ミクロンから最大8ミクロンの微小間隙を有するマイクロチップを作製した.次に,作製したマイクロチップとコラーゲンゲル内でそれぞれグリオーマ幹細胞を培養した.その結果,グリオーマ幹細胞は最小2ミクロンの間隙を通過可能であることを確認した.マイクロチップ内の間隙を通過した細胞では生存維持が確認されたが,コラーゲンゲルの微小間隙を通過する細胞では細胞死が多く観察された.これは,コラーゲンゲルでは微小間隙が連続的に存在するからであると考えられる.そして,コラーゲンゲルにおける細胞死の原因を調査するために,変形した細胞核を共焦点レーザー顕微鏡により観察すると,細胞核膜が破れDNAが細胞核からはみ出る様子が観察された.細胞質へDNAがさらされると細胞内において多様なシグナル経路が活性化されることが示唆されているため,今後は微小間隙通過による細胞核膜損傷がグリオーマ幹細胞の不均一性に寄与する可能性を調査する必要がある.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和元年度は,微小間隙を有するマイクロチップの作製と,微小間隙を通過するグリオーマ幹細胞の生存評価および形態観察が研究実施計画であった.マイクロチップの作製に成功し,さらにグリオーマ幹細胞を培養することで,細胞核膜損傷などの微小間隙への浸潤プロセスについて興味深い結果を得た.これらの研究成果は,国際学会および国内学会において発表する予定である.以上のことを踏まえ,当初の目的達成に向けておおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度は,微小間隙通過に伴う細胞核変形とグリオーマ幹細胞における浸潤能力との関係性を調査する.特に,グリオーマ幹細胞が微小間隙を通過する上で重要なタンパク質をRNA干渉により特定し,微小間隙通過に伴う細胞核変形が浸潤関連遺伝子の発現に与える影響をQPCRを用いて調査する.

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Published: 2021-01-27  

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