2020 Fiscal Year Annual Research Report
高速フーリエ変換CARSスペクトラルイメージングによる術中迅速がん診断法の開発
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19J22353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下川 涼 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ラマン / CARS / FT-CARS / 高速イメージング / FWM / SHG / フローサイトメトリー / イメージングフローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果である世界最高速広帯域 FT-CARS イメージング(Kinegawa, Ryo, et al. "High‐speed broadband Fourier‐transformcoherent anti‐stokes Raman scattering spectral microscopy." Journal of Raman Spectroscopy 50.8 (2019): 1141-1146.)を含む高速顕微イメージング手法に共通する問題点(サンプル調製に要する時間>>イメージングに要する時間)の解決法の考案を行なった。 近年発展してきているフローサイトメトリー法と高速イメージング法を組み合わせることによる解決法で、当該年度中に非線形光学イメージングフローサイトメーターの設計、光学系の構築、構築した非線形光学イメージングフローサイトメーターの実証を行なった。本セットアップでは、ハイスループット、ラベルフリーでの Four-wave mixing (FWM, 四波混合), Second-harmonic generation (SHG, 第二高調波)それぞれの信号強度に基づいたイメージングフローサイトメトリーを可能としている。 本手法のデモンストレーションとして、種々の条件下で培養されたChromochloris(NIES2175)のイメージングフローサイトメトリーを行なった。当該実験により、培養条件の変化による細胞の Morphology(形態)の変化、細胞内に accumulate されたスターチの量の変化が観測された。現在当該研究成果をまとめたものをもとに論文を執筆している。次年度の計画として、さらにマイケルソン干渉計を組み込むことでFWM,SHGに加えてFT-CARS信号の同時検出を可能とするイメージングフローサイトメトリーの開発を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
年度当初、COVID-19の影響による入構制限下における在宅研究期間が続いたが、光学実験がすすめられないという逆境を生かし、本研究と関連分野の知識の掘り下げ、異分野研究との融合の可能性の模索、研究実績の欄に述べた顕微鏡高速イメージングに共通する問題点(サンプル調製の要する時間>>イメージングに要する時間)の解決法の考案を進めた。そのアイデアをもとに、入構制限解除後にこれまでの研究成果(非線形光学イメージング法)と新たな技術(イメージングフローサイトメトリー)を実際に組み合わせることで問題点の解決を可能とした。これは本研究当初にはなかったものであり、計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の計画として、これまでの開発装置にさらにマイケルソン干渉計を組み込むことでFWM,SHGに加えてFT-CARS信号の同時検出を可能とするイメージングフローサイトメトリーの開発をする。本開発装置を用いてイメージングによるがん細胞と正常細胞の分類、がんスフェロイドを用いたドラッグスクリーニングへの応用を進める。
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